2022 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時無呼吸重症度と糖尿病遺伝リスクを統合した糖尿病発症・増悪の予測モデルの構築
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19K17674
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村瀬 公彦 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40791968)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 一般人口を背景とした約7,000人の大規模ゲノムコホートにて、糖尿病腎症早期に出現する微量尿中アルブミン量と睡眠呼吸障害(Sleep disordered breathing: SDB)の関連性を検証した。多変量解析にて、SDBの重症度の指標である3%酸素飽和度低下指数(oxygen desaturation index: ODI)は尿中アルブミン量に対して独立した正相関を認めた。(β = 0.07, p < 0.001) さらに、3%ODIと平均血圧は尿中アルブミン量へ正の交互作用を有することが示された。(β = 0.08, p < 0.001) また、媒介解析によって、SDBは夜間の高血圧とは別の機序で尿中アルブミン上昇に寄与していることが判明した。この結果は米国胸部疾患学会誌に報告した。(Murase K, Matsumoto T, Tabara Y et al. Ann Am Thorac Soc. 2022 Mar;19(3):451-461.) 2) 上記コホートにおいて、SDBと血中ヘモグロビン濃度の関連を検討した。閉経後女性および男性では両者に有意な関連は認めなかったが、閉経前女性ではヘモグロビン濃度の低下とSDBに関連がみられた。さらに、小球性貧血とSDBの重症度に相関を認め、月経の出血量とSASに関連があるのではないかと考えられた。この結果は第63回呼吸器学会総会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般人口を対象とした7,000人規模のコホートにおいて、糖尿病の経過に関する縦断データはすでに解析可能な状態である。SDBの経過に関する縦断データ(アクチグラフ・パルスオキシメトリ・睡眠日誌のデータ)はすでに取得済みであり、現在データの整理中である。対象コホートにおいて、遺伝子データから糖尿病に対するGenetic Risk Score (GRS)については算出済みであり、SDBに関する縦断データがまとまり次第、解析に移行できる状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、取得したアクチグラフ・パルスオキシメトリ・睡眠日誌のデータを突合して、SDBデータの縦断データの速やかな完成を目指す。大規模コホートにおいて、睡眠・糖尿病・遺伝子の縦断的なデータを構築し、一般人口における糖尿病の発症・増悪に対し、糖尿病の遺伝背景とSASがどのように寄与しているか検証する。また、GRSを算出するための80個の一塩基多型の個々がどのように寄与しているかを解析し、将来糖尿病を発症するリスクが高い個人を抽出する方法を、SAS重症後との関連から検証する。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックによりフィールド調査が予定通りに施行できず、当初使用する予定であった金額より少ない支出となった。今後、遅れている分のフィールド調査を施行する予定であり、これに次年度使用額を用いる予定である。
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Research Products
(2 results)