2020 Fiscal Year Annual Research Report
血小板による2型自然リンパ球依存的好酸球性気道炎症の制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
19K17692
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
折茂 圭介 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 研究員 (50794369)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 2型自然リンパ球 / 喘息 / 血小板 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果として、血小板が付着することによる2型自然リンパ球(ILC2)の表現形の変化が示唆されていたため、その詳細についてさらに解析を行った。2型サイトカインであるIL-5とIL-13のレポーターマウスを用いてILC2における血小板の表面マーカーであるCD41陽性/陰性によるサイトカイン 産生能について評価を行った。結果としてCD41陽性、つまり血小板が付着しているILC2の方がIL-5とIL-13が陽性になっている割合が高いという結果を得た。さらに詳細に解析を行うため、マウス肺からCD41陽性あるいは陰性のILC2を単離し、RNAシークエンスを行った。解析の結果、CD41陽性と陰性のILC2ではmRNAの発現が異なるという結果であった。パスウェイ解析を行った結果、エストロゲン の受容体を形成する遺伝子であるEsr1が上流解析で有意な遺伝子として検出された。ヒト血小板に、エストロゲン を含む性ホルモンが含まれるという報告が既にあることから、同パスウェイが血小板によるILC2への影響に関与している可能性が示唆された。 昨年度健常人における末梢血のILC2におけるCD41陽性は既に確認していたが、さらに健常鼻組織を用いて免疫染色を行った。結果としてILCと思われる細胞でCD41陽性の細胞があることを確認し得た。 これまでの結果から、血小板は付着することで直接ILC2に影響を与えて、好酸球性気道炎症の増悪に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)