2020 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of biological meaning of change in oxygen status and oxygen gradation in chronic kidney disease
Project/Area Number |
19K17697
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平川 陽亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10780736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 低酸素 / 慢性腎臓病 / 酸素勾配 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は慢性腎臓病における酸素勾配の意義につき検討を行った。慢性腎臓病モデルマウスにおける生体内酸素イメージングは十分な解像度の画像が得られなかったが、慢性腎臓病における酸素勾配の存在は申請者の既報で明らかにしており、培養細胞における検討を重点的に進めた。培養細胞において、酸素勾配下での培養での低酸素応答因子HIF1αの挙動解析を進め、酸素勾配下では、均一酸素分圧下の培養と異なり特定の酸素分圧域でHIF1αの発現が最大になることが明らかになった。また酸素勾配下でHIF1αの特徴的な挙動については、酸素分圧と合わせてpHが重要な役割を果たしていることを明らかにした。培養細胞において均一酸素分圧下以外の状況でのHIF1αの挙動について検討した報告はなく、本検討は生体内における酸素勾配の重要性をより強調するものと考えられる。この結果は学術論文として報告した(Physiol Rep. 2021 Jan;9(1):e14689)。 また、慢性腎臓病患者における尿中の尿細管細胞単離を尿細管細胞の特異的な染色試薬であるproteogreen-gGluを用いて検討を行ったが、複数の患者で再現性のある結果が得られず、この試みからは尿細管細胞の単離は困難であった。国際的に単一細胞RNAシークエンスの施行が増加してきており、尿細管細胞の単離を行う必要性が乏しくなったため、この検討は中止した。 これらの検討から得られた腎臓病と低酸素の関わりについて、総説として報告を行った(Kidney Res Clin Pract. 2019 Dec 31;38(4):414-426)。
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