2019 Fiscal Year Research-status Report
Integrinを標的とした糸球体硬化進展の新規機序解明と特異的治療の開発
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19K17701
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原 怜史 金沢大学, 医学系, 助教 (80749820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | galectin-8 / ポドサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット由来EA-1hybridomaからのintegrinα6抗体の高密度培養を行ったが、充分な収量を得ることが出来なかった。高密度培養に用いたhybridoma上清中のラットIgG2a濃度は約3ng/mLであった。今後細胞クローニングにより、より分泌濃度の高いhybridomaを検索し、再度高密度培養を行う予定である。 並行して、ヒトにおける様々な糸球体疾患におけるgalectin-8の蛋白発現が起こっているのか、galectin-8の蛍光免疫染色を行った。その結果、IgA腎症のみならず、微小変化型ネフローゼ症候群、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症、糖尿病性腎症、良性腎硬化症、ループス腎炎と多様な糸球体疾患においてgalectin-8蛋白の発現が糸球体ポドサイトで亢進していることが分かった。これらのことから、IgA腎症の疾患特異的な現象というよりも、蛋白尿が出現するような状況においてgalectin-8の発現が亢進すると考えられた。仮説として、ポドサイトにストレスが掛かったり障害される状況においてgalectin-8が発現し、ポドサイトに対して保護的ないし侵襲的な役割を有すると考えられる。 この仮説を検証するために、ヒト培養ポドサイトにアドリアマイシンを投与してポドサイトを障害させた際に、ポドサイトのgalectin-8発現が亢進するかどうかをqRT-PCR、ウエスタンブロッティングで検討中である。qRT-PCRではポドサイトアポトーシスによるRNA収量不足により充分な結果が得られず、ウエスタンブロッティングでは、染色条件の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛋白尿を呈する様々なヒト糸球体疾患においてgalectin-8蛋白の発現がポドサイトで亢進することがわかった。今後、integrinα6抗体の高密度培養・精製、およびgalectin-8の機能解析を進める
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Strategy for Future Research Activity |
今後、細胞クローニングの上、integrinα6抗体の高密度培養・精製を進める。また、培養ポドサイトを用いたgalectin-8の機能解析を進める
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Causes of Carryover |
抗integrinα6抗体の高密度培養・精製がうまく行かなかったため、マウスへの投与実験へ当てる資金が残っている状態です。抗integrinα6抗体の高密度培養・精製がうまくいき次第、次年度使用額を用いて、マウスへの投与実験を行う予定です。
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