2020 Fiscal Year Research-status Report
Integrinを標的とした糸球体硬化進展の新規機序解明と特異的治療の開発
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19K17701
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原 怜史 金沢大学, 医学系, 助教 (80749820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポドサイト / galectin-8 / integrinα6 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、ラット由来EA-1hybridomaからのintegrinα6抗体の高密度培養を行ったが、充分な収量を得ることが出来なかった。高密度培養に用いたhybridoma上清中のラットIgG2a濃度をELISAで確認したところ約3.7ng/mLであったことから、濃度が低いことによるものと考えられた。これを受けて、より分泌濃度の高いhybridomaのクローンを選択しし直すために、クローニングを行った。その結果、96wells2セットのうち19個にコロニーが発育し、それらをELISAで濃度測定し、分泌濃度の高いクローンを同定した。今後、これらのクローンを用いて再度高密度培養を行う予定である。十分量のintegrinα6抗体が得られれば、マウスへ投与し、病理学的解析を行う。 また、これまでの実験結果により、蛋白尿が出現する様々な糸球体疾患においてgalectin-8の発現が亢進していたことから仮説として、ポドサイトにストレスが掛かったり障害される状況においてgalectin-8が発現し、ポドサイトに対して保護的ないし侵襲的な役割を有すると考えられる。この仮説を検証するために、ヒト培養ポドサイトにアドリアマイシンを投与してポドサイトを障害させた際に、ポドサイトのgalectin-8発現が亢進するかどうかをウエスタンブロッティングで検討中である。ウエスタンブロッティングでは、アドリアマイシン投与12時間、24時間と時間が経つにつれてポドサイトにおけるgalectin-8の分泌が低下していた。今後別のポドサイト障害モデルでも検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、ラット由来EA-1hybridomaからのintegrinα6抗体の高密度培養による精製・収集が完了していないことから、まだマウスへの投与実験へ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
より分泌濃度の高いhybridomaのクローンを同定した。今後、再度高密度培養を行う予定である。integrinα6抗体の高密度培養による精製・収集が完了し次第、マウスへの投与実験を行い、ポドサイトにおけるintegrinα6およびgalectin8の機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
抗integrinα6抗体分泌hybridomaの高密度培養がまだうまくいっていないことにより、マウスへの投与実験へ使用予定だった金額が残っている。この分の使用額を次年度に繰り越させて頂きたく存じます。
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