2020 Fiscal Year Annual Research Report
MMP-10の腹膜線維化における役割とその細胞内シグナルの解明
Project/Area Number |
19K17706
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸田 尚宏 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30760615)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中皮細胞 / 腹膜透析 / MMP-10 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期腹膜透析による腹膜の線維化および腹膜透過性亢進の機序解明を目的として、クロロヘキシジン投与腹膜線維症マウスの腹膜で発現が上昇するMatrix metalloproteinase-10 (MMP-10)の役割を解析した。クロロヘキシジン投与野生型マウスの腹膜組織においては腹膜中皮細胞および中皮下組織全体にMMP-10発現が認められた。次にMMP-10ノックアウトマウスに同様にクロロヘキシジンを腹腔内投与すると野生型に比べて腹膜線維化が軽減した。また中皮下線維組織内のαSMAとマクロファージ浸潤が低下していた。TGF-β、CTGF、Fibronectin、Col1a1はいずれもクロロヘキシジンMMP-10ノックアウトマウスで低下していた。また、炎症に関わるCcl2/Mcp1とEmr1発現も低下していた。腹膜透過性亢進にMMP-10が及ぼす影響を検討するために、腹膜平衡機能試験を行ったところ、クロロヘキシジン投与野生型、MMP-10ノックアウトマウスで腹膜透過性・除水に差を認めず、MMP-10は腹膜透過性に関与しないことが示唆された。 さらにMMP-10ノックアウトマウスから腹膜中皮細胞を初代培養系として採取し、TNF-α刺激を行ったところ、野生型マウスに比べ、Ccl2、TNF-αのmRNA 発現が低下しており、in vivoの結果と合致した。このため、MMP-10はTNF-αによるCcl2誘導に必須の因子であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)