2019 Fiscal Year Research-status Report
ファブリー病におけるマルベリー細胞定量的評価法の開発とその臨床的価値
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19K17742
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
余西 洋明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40822143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ファブリー病 / マルベリー小体 / ポドサイト / 尿沈査 / 慢性腎臓病 / 腎障害マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に多くの腎臓病のマーカーとして蛋白尿が用いられている。ファブリー病は全身にグリボトリアオシルセラミドという基質が蓄積し様々な臓器傷害を来すライソゾーム蓄積病であり重要な合併症に腎病変がある。ただ蛋白尿出現後にファブリー病に対し特異的治療である酵素補充療法を施行しても蛋白尿は減少しない。そのため蛋白尿に代わる腎病変のマーカーが必要である。ファブリー病患者にはマルベリー小体という特異的な尿沈査所見が認められる。ただしなぜファブリー病患者の尿沈査にマルベリー小体が認められるのか、あるいはその病的意義は不明であった。本研究では免疫染色を用いて、マルベリー小体がファブリー病患者のグリボトリアオシルセラミドが蓄積した腎臓、糸球体のポドサイト由来であることを明らかにした。また腎生検を行った患者の標本におけるポドサイトの空砲変性の程度と尿沈査のマルベリー小体の多寡が相関することを明らかにした。すなわちマルベリー小体はポドサイトの傷害を反映していることが示唆された。さらに多くの症例でマルベリー小体の出現は蛋白尿の出現に先行していた。また酵素補充療法によってマルベリー小体が減少することも確認できた。 以上の事は、マルベリー小体がファブリー病患者の腎障害を診療する事において早期マーカーならびに治療効果判定マーカーとして蛋白尿よりも鋭敏で正確である事を本研究では明らかにしいる。さらに尿沈査という安価で簡便な検査を治療マーカーとして用いることができる可能性があり学術的のみならず医療経済的にも重要な知見であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究での仮説を免疫染色を用いた基礎検討並びに臨床データを用いて検討して国際学会(the 56th ERA-EDTA Congress)、国内学会(第62回日本腎臓学会学術総会)で発表している。また実験結果並びに臨床研究データがそろってきており論文作成を進めており近日中に投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後マルベリー小体のより定量的評価を行うために、抗体で標識の上全自動尿中有形成分分析装置を用いて測定することを検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Urinary Mulberry Bodies as a Potential Biomarker for Early Diagnosis and Monitoring the Effectiveness of Enzyme Replacement Therapy in Fabry Disease2019
Author(s)
Hiroaki Yonishi, Tomoko Namba-Hamano, Takayuki Hamano, Masaki Hotta, Shinsuke Sakai, Ryuta Fujimura, Satoshi Minami, Takeshi Yamamoto, Atsushi Takahashi, Yoshitsugu Takabatake, Norio Sakai, Yoshitaka Isaka
Organizer
the 56th ERA-EDTA Congress
Int'l Joint Research
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