2021 Fiscal Year Annual Research Report
アロステリックPHD阻害による選択的HIF活性化:新規慢性腎疾患治療薬の開発
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19K17746
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
川口 真一 佐賀大学, 農学部, 准教授 (00722894)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HIF活性化剤 / PHD阻害薬 / HIFアナログ |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、虚血症状を統一的に改善できる分子標的HIF(低酸素誘導因子)に注目して、経口虚血治療薬の開発を進めてきた。HIFを分解に導くタンパク質であり、酸素センサーであるPHDを阻害することでHIFを活性化させ、虚血症状を統一的に改善することが可能となる。今までにPHDを阻害する低分子化合物である化合物Aを見出し、合成法も開発してきた。さらに薬物動態パラメータの改善を試み、誘導体を合成し、約30種類の新規化合物を合成してきた。薬物動態パラメータを改善させた化合物の細胞を使ったルシフェラーゼアッセイのHIF活性化の試験では化合物Aより50倍から100倍の低い濃度で同様の活性化を示した化合物を見いだすことができた。発見した化合物は動物実験も行っており、ワイルドタイプのマウスを用いた実験で、目的の遺伝子であるEPOの活性化を示した。毒性試験もいくつか行ったが大きな問題は示されていない。本化合物は従来までの化合物とPHDsに対する作用点が異なることが大きなポイントであるが本化合物は初めてHIFアナログとして作用しているのではないかということが示された。化合物Aを見いだしたことに関しては、特許申請を行い、2021年度に権利化された。また、それらをまとめた論文をアメリカ化学会の専門誌に投稿し受理された。今後は本化合物がヒトに用いられる経口の虚血治療薬として、また研究用試薬として広がるよう進めていく予定である。
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[Journal Article] Prolyl Hydroxylase Domain Protein Inhibitor Not Harboring a 2-Oxoglutarate Scaffold Protects against Hypoxic Stress2022
Author(s)
Kento Sonoda , Sudarma Bogahawatta, Akito Katayama, Saki Ujike, Sae Kuroki, Naho Kitagawa, Kohichi Hirotsuru, Norio Suzuki, Toshio Miyata, Shin-ichi Kawaguchi, and Tadayuki Tsujita*
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Journal Title
ACS Pharmacol. Transl. Sci.
Volume: 5
Pages: ASAP
DOI
Peer Reviewed
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