2020 Fiscal Year Annual Research Report
腎不全病態における間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に対する変化を与える因子の解明
Project/Area Number |
19K17753
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
加藤 憲 昭和大学, 医学部, 助教 (20644305)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CKD-MBD / リン / 間葉系幹細胞 / 二次性副甲状腺機能亢進症 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:腎不全病態に伴う二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)においては、高回転性の骨代謝となり線維性骨症を引き起こすことがしられているが、その状態における骨髄の間葉系幹細胞(MSC)の変化については明らかではない。今回SHPTの病態を呈した腎不全ラットの骨髄よりMSCを分離し、骨芽細胞分化に対する性質変化を解析した。 方法:SHPTモデルとして5/6腎摘(Nx)+高リン食(HP)ラットを用い、正常ラット(Nc)+通常食(NP)群およびNx+NP群を比較対象とした。8週後に大腿骨より骨髄細胞を採取し、脛骨の骨形態計測および血清成分の解析を行った。骨髄細胞を培養しMSCが増殖した時点で採取しフローサイトメトリーで表面抗体を確認し、骨芽細胞誘導培地にて培養後、ALP染色、活性、mRNA発現およびアリザリンレッド染色を行った。 結果:血清CrはNx+NP群、Nx+HP群においてNc+NP群よりも有意に上昇し、Nx+HP群ではNx+NP群よりも血清P、iPTH、iFGF23が有意に高値であった。骨形態計測において骨形成、骨吸収共にNx+HP群がNx+NP群よりも亢進していた。採取したMSCの割合はすべての群において同等であったが、分化誘導後のALPのmRNA発現はNc+NP群と比較してNx+NP群で低下し、Nx+HP群ではさらに低下していた。ALP染色・活性およびアリザリンレッド染色も同様の傾向を示した。 結論:腎不全ラットにおいてMSCの骨芽細胞への分化能は低下し、SHPTにおいてはさらに顕著となる傾向がみられた。腎不全および高リン負荷においてはMSCの分化能が障害される可能性がある。
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Research Products
(1 results)