2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of renal toxicity evaluation model using nephron progenitor replacement system
Project/Area Number |
19K17756
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山中 修一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80775544)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 腎臓再生 / 前駆細胞 / iPS細胞 / 毒性評価 / 急性腎不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物体内で外来性のネフロン前駆細胞から生理機能を有した、in vivoでの腎臓再生を研究している。本申請ではin vivo再生腎に対し薬剤を投与することで、薬剤性腎障害を惹起させ解析し、薬剤性腎障害の発生機序を解明することが目的である。本年度は、再生用の胎生期腎臓に異種間でネフロン再生が可能かを検討した。ジフテリアを投与し、Six2陽性のネフロン前駆細胞だけを除去し、腎発生ニッチを空けることで、マウス腎臓内部にラットのネフロン前駆細胞から再生したネフロンを構築した。この再生用腎原基を成獣ラットに免疫抑制剤の使用下で後腹膜に移植し、in vivoでの尿濾過能を示した。この成果は、Fujimoto T, Yamanaka S, Tajiri S, Takamura T, et al. In vivo regeneration of interspecies chimeric kidneys using a nephron progenitor cell replacement system. Sci Rep. 2019で報告した。また、胎仔期にネフロン前駆細胞を腎発生領域に移植し、移植の足場となる胎仔を生存させたまま、外来性前駆細胞由来のネフロンを再生させることに成功した。この手法は、Yamanaka S, Saito Y, Fujimoto T, Takamura T, et al. Kidney Regeneration in Later-stage Mouse Embryos via Transplanted Renal Progenitor Cells, J Am Soc Nephrol, 2019, で報告した。これらの成果はまだ腎毒性薬剤を投与しておらず、モデル構築に留まっている。次年度はこれらのモデルを使用し、シスプラチンまたはゲンタマイシンを投与し、再生腎における腎障害マーカーを評価することでin vivoでの薬剤性腎障害モデルの検討を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎臓の再生モデルを準備し、順調にモデル構築は進んでいる。本年では薬物の投与濃度の検討と免疫染色、定量PCRまたは尿細管トランスポーターに特化したPCR array等の評価法の検討・確立を進める。本申請の計画は概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
in vivoでの再生腎に対する急性腎障害モデルを構築するために、シスプラチンまたはゲンタマイシンで障害させた再生腎に対する定量PCRおよびホール免疫染色によるKIM-1評価等を行う。また尿細管トランスポーターに特化したPCR arrayで網羅的遺伝子発現評価を用い、薬剤によって障害をもたらされた尿細管トランスポーターの発現変化を再生ネフロンで薬剤別に検索・同定する。
|
Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
|
Research Products
(6 results)