2020 Fiscal Year Annual Research Report
手掌足底における悪性黒色腫の癌幹細胞の特定と分子治療法開発
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19K17763
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉岡 勇輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (00835770)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の進捗状況は概ね良好であり、2019年度から2020年度に予定していた1.汗腺内色素幹細胞でのLKB-1-AMPKs系に関わる各遺伝子発現の解析、2.末端黒子型悪性黒色腫細胞内でのLKB-1-AMPKs系およびDKK1-WNT/b-catenin系シグナル伝達路の解析、3.臨床検体を用いた末端黒子型悪性黒色腫・癌幹細胞の探索、4.シグナル伝達系を阻害し腫瘍抑制に有効な薬剤の特定の4つの研究計画の大部分を達成できた。各研究計画の進捗状況について1.では色素幹細胞が存在する汗腺の腺体部にNUAK2が強く発現していることを確認。2.ではNUAK2をノックダウンすることでLKB-1-AMPKs系のシグナル伝達路を解析しAMPKの変動につきデータを取得とした。またAMPKのいくつかのリン酸化についても解析を加えてデータを取得としている。3.では臨床検体を用いたNUAK2発現の解析をさらに進めて早期病変などでのNUAK2発現データを取得とした。4.ではNUAK2抑制作用を有するとされているメトホルミンを含むビグアナイド系糖尿病薬による悪性黒色腫細胞数抑制効果を確認とした。今後は1.の研究計画につきさらに詳細にAMPKs関連遺伝子の発現変動の解析を加え、3.ではさらに症例数を増やした検討を行い、4.では多数のキナーゼ阻害活性を有する化合物の中からより高いNUAK2阻害活性を有する化合物をスクリーニングとし、その中からNUAK2阻害活性が高くかつ細胞増殖を有効に抑えられる化合物を特定していく予定である。
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