2022 Fiscal Year Annual Research Report
マダニ中のリケッチア存在有無による行動変貌の調査及びミノサイクリン適正利用の研究
Project/Area Number |
19K17769
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
近藤 誠 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40464169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本紅斑熱 / リケッチア / マダニ / ミノマイシン |
Outline of Annual Research Achievements |
日本紅斑熱多発地域である三重県において、日本紅斑熱の流行域と非流行域で旗振り法にてマダニを500匹捕獲した。そのうち、329匹のマダニ種をシークエンス法にて同定し、またPCR法にてマダニ内のリケッチアの存在の有無を確認した。日本紅斑熱の流行地域はフタトゲチマダニが多く捕獲された。また非流行地では捕獲されたマダニ種は多種に富んでいたかキチマダニがやや多く捕獲された。リケッチアの遺伝出検出には17kDa タンパク遺伝子とgltA領域を増幅させる既知の2種のプライマーを用いてPCR法を施行した。日本紅斑熱流行地に生息するマダニの方がリケッチア検出率は高かった。非流行地においても6割程度のリケッチアが検出された。まずこの非流行地に生息するマダニを利用し、天候や気温、湿度などによる行動様式の変容を確認した。 マダニの観察結果より、明室で37度で保温したウオーターバス上のシャーレにマダニを10匹程度置き、マダニにミノマイシンを溶かした血液を吸血させて、その後のリケッチアの検出率が変わるかどうかを比較することとした。研究者自身の血液とFBSをガーゼに浸してマダニの動きを観察した。数時間様子を観察したが全く血液のガーゼによって来る気配はなく、この方法では困難と判断した。ゆえにマダニの口器、気門から強制的にミノマイシン粉末を注入させることとした。PBSに溶かした様々な濃度としたミノマイシンとマダニを密閉したチューブにいれてウオーターバスにいれて水蒸気化させ、25度の室温に戻し翌日観察したがマダニは動いていた。3日後、死亡したマダニが出始め、7日後にはほぼ死亡していたため、ここでそれぞれのマダニからDNAを抽出し、前述のPCR法にてリケッチアの遺伝子を確認した。数十匹のマダニを対象としたが、リケッチアの検出率は6割程度であり、野生に生息していたマダニと差は認めなかった。
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