2020 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎における皮膚真菌叢の変化と特異的IgE抗体獲得機序の解明
Project/Area Number |
19K17773
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森脇 昌哉 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (10839286)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 抗原特異的IgE / MGL_1304 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / Tfh |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎(AD)は、長期にわたり皮膚炎を繰り返す慢性疾患である。AD患者は汗が増悪因子と知られており、特に汗に含有されるMGL_1304(皮膚上のMalassezia globosaが産生)が汗アレルギーの原因物質であることを当教室で示してきた。しかし、AD患者がMalassezia globosaが産生するMGL_1304に対する過敏性を示すことや、AD患者がMGL_1304に対する特異的IgE抗体を持つことを見出してきたが、その機序については明らかとなっていない。 近年、IgE産生について濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)の関与が指摘されており、今回表皮からランゲルハンス細胞や樹状細胞といった抗原提示細胞を介し、Tfhへの分化を経て、MGL_1304に対する特異的IgE抗体をB細胞から産生される機序について検討を行っている。 まず、末梢血からin vitroで単球由来皮膚ランゲルハンス細胞(MoLC)を作製し、同一ドナーからCD4+T細胞も併せて分離した。Malassezia globosa(死菌)とMGL_1304に加えて、TSLP,LPS,Pam3などの各種刺激下に培養を行い、活性化したMoLCの作成まで行った。 次に先に作成した活性化MoLCと CD4+T細胞を7日間共培養し、T細胞の分化を行った。flowcytemetoryにてCD185+CD279+のT細胞をTfhとして回収した。 Tfhの回収率低値などの問題により、TfhとB細胞の共培養を試みるも抗原特異的IgE抗体の産生まで至っていない。
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