2020 Fiscal Year Annual Research Report
痒疹の発症における皮膚γδT細胞の役割~2型・17型免疫応答の協働~
Project/Area Number |
19K17777
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
指宿 敦子 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10596109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | γδT細胞 / 痒疹 |
Outline of Annual Research Achievements |
痒疹とは強いかゆみを伴う孤立性の丘疹を特徴とし、痒疹反応と呼ばれる皮膚の特殊な反応に起因する疾患群である。痒疹はアトピー性皮膚炎によくみられることからもわかるように、Th2型の免疫応答が主体の反応である。 IL-13は、Th2型のCD4陽性αβT細胞から産生されるサイトカインであり、アトピー型アレルギーにおいて重要な役割を担っている。IL-13はDETC(dendritic epidermal T cell)として知られるマウスの表皮内γδT細胞からも機械的刺激、紫外線、化学物質などに反応して大量に産生される。DETC由来のIL-13は経皮感作によるアトピー型アレルギーの誘導に働く。 ヒトにおける痒疹病変の免疫学的応答を確認すると、表皮細胞の核内にリン酸化したSTAT3とTh2型免疫応答を介在するSTAT6の染色像がみられ、さらに痒疹病変部のmRNAではTh2型サイトカインと、表皮肥厚などを引き起こすTh17型サイトカインの発現が増加している。IL-17はアトピー性皮膚炎の病態に関与していることが知られており、IL-17産生能を持つγδT細胞もアトピー性皮膚炎の病態に関与している。しかし痒疹におけるIL-17+γδT細胞についてその役割はまだ解明されていない。 痒疹の病態形成に深く関わっていると考えられるγδT細胞について解析を進めているが、これまでに痒疹患者をアトピー素因の有無で2群に分け、それぞれの皮膚病変部に浸潤するリンパ球を免疫染色により解析し比較したところ、アトピー素因を有する痒疹患者の皮膚病変部にはγδT細胞が有意に増加していることを確認した。さらに症例数を増やし、痒疹の臨床病型、考えられる要因毎に解析を進めた。痒疹の発症における皮膚γδT細胞の役割を知る手がかりになると考える。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Novel AP3B1 compound heterozygous mutations in a Japanese patient with Hermansky-Pudlak syndrome type 2.2020
Author(s)
Takuro Nishikawa, Ken Okamura, Mizuki Moriyama, Kenji Watanabe, Atsuko Ibusuki, Seiji Sameshima, Izumi Masamoto, Ieharu Yamazaki, Kay Tanita, Takuro Kanekura, Hirokazu Kanegane, Tamio Suzuki, Yoshifumi Kawano
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Journal Title
the Journal of Dermatology
Volume: 47
Pages: 185-189
DOI
Peer Reviewed
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