2019 Fiscal Year Research-status Report
複数波長を放射するフレキシブル光源を用いた皮膚がん向けALA-PDTの研究
Project/Area Number |
19K17780
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
益田 秀之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70753078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複数波長PDT |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、本邦では皮膚がんに対するPDTは未承認医療であるが、高齢化に伴う患者の増加、専門医の地域的な偏りにより手術対応が困難となることが予想されることなどから、早期の開発が期待されている。本研究の目的は、最終的な機器開発、臨床応用を見据え、皮膚がんに対する至適光学特性をもった光線力学療法の基本技術開発である。 HaCaT細胞を用いたPDT効果の実験結果を元に、マウスへの照射用光源の準備を進めた。細胞実験用光源をベースに、複数の波長照射が可能な光源とした。光学特性としては、405 nm (プレート型: 68 mW/cm2, フレキシブル型: 63 mW/cm2)、635 nm (プレート型: 63 mW/cm2, フレキシブル型: 69 mW/cm2)、405 nm + 505 nm (プレート型: 26 mW/cm2, フレキシブル型: 60 mW/cm2)であり、50 J/cm2の照射が10~30分程度で照射可能となっている。 次に、5-ALAの投与(局注、外用塗布)に関する検証を進めた。外用塗布ではメラノーマ細胞の担癌モデルマウスでは十分に取り込まれないが、一方局注では腫瘍への405nmの励起光を用いた実験にて、赤色の蛍光が見られ十分に集積されていることが確認された。 また、取り込み時間については、細胞を用いた予備実験から3~5時間においてプラトーに達することを確認、マウスにおいても同様であったため、最適な取り込み時間を4時間とした。 これらの条件を元にマウスでのPDTを実施し、50J/cm2程度で十分なPDT効果が期待されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FACSおよび次世代シーケンサーを用いた、複数波長による細胞死誘導効率上昇に関するメカニズム解析については着手できていないものの、予定していた最適な光学条件の決定、マウスゼノグラフトモデルを用いた動物実験による効果の検証は、概ね予定通り進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
FACSおよび次世代シーケンサーを用いたメカニズム解析については、一部外注機関を使うなどの検討を行う。 光源形状の最適化に向けたフレキシブルタイプの光源開発については、マウスへの温度伝達が問題となるため、照度を下げ照射時間を長くすることで解決を図る予定。
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Causes of Carryover |
動物実験用の光源装置の開発において、想定以下の費用で対応できたため差異が生じた。それらは、次年度以降実施予定の改良版光源装置の作成および次世代シーケンサーやFACS解析に充当する予定。
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Research Products
(1 results)