2020 Fiscal Year Research-status Report
複数波長を放射するフレキシブル光源を用いた皮膚がん向けALA-PDTの研究
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19K17780
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
益田 秀之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70753078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレキシブル光源PDT |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、本邦においてPDTは、肺がんや食道がんなどで承認されている治療であるものの、皮膚がんに対しては、未承認である。高齢化に伴う患者の増加や、専門医の地域的な偏りにより、従来のような医療機関での手術が困難となることが予想されることなどから、早期の開発が期待されている。本研究の目的は、最終的な機器開発、臨床応用を見据えたPDTの基本技術開発である。 前期までに、HaCaT細胞および担癌マウスを用いて波長特性や照射量の検討を行った。今期は、フレキシブルタイプの光源において、形状や光学条件などの最適化を進めた。皮膚への温度伝達が問題となるため、照度と温度の関係性を評価し、実際の治療に耐えうる、時間と照度を満たす構造の検討を行った。その結果、照射面積35×35mm、照度20~30mW/cm2にて、温度規格43℃以下(医療機器を接触して使用する際の値)を満足する条件を見出した。その際、照射時間はおおむね30分程度であり、実臨床にも応用できることも確認した。光源はLEDを配置した基板を樹脂筐体で囲った形態であり、ファンなどの強制空冷機構は有さず、50g程度と非常に軽量な構造を実現した。並行し、レーザーダイオードを用いた光源についても検討を進めた。パワーフローのシミュレーションの結果では、現在入手可能な素子にて必要照度を満足する結果が得られたものの、必要とする照射エリアへの光の拡大が難しい結果であった。そのためレーザーダイオードは光源候補から除外した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フレキシブル光源の形状について、予定通り検討が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討した光源を用い、光学特性の安定性や殺細胞効果などの確認を進める。
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Causes of Carryover |
フレキシブル光源の開発費用が想定よりも低かったため。
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