2022 Fiscal Year Annual Research Report
複数波長を放射するフレキシブル光源を用いた皮膚がん向けALA-PDTの研究
Project/Area Number |
19K17780
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
益田 秀之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70753078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレキシブル光源PDT |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、本邦においてPDTは、肺がんや食道がんなどで承認されている治療であるものの、皮膚がんに対しては、未承認である。高齢化に伴う患者の増加や、専門医の地域的な偏りにより、従来のような医療機関での手術が困難となることが予想されることなどから、早期の開発が期待されている。本研究の目的は、最終的な機器開発、臨床応用を見据えたPDTの基本技術開発である。 これまでにHaCaT細胞や担癌マウスを用いた波長特性や照射量の検討、およびフレキシブルタイプの光源における形状や光学条件などの最適化を実施してきた。また、臨床応用を見据え患部特異的な形状の検討を進め、皮膚がんの頻発部位である顔面にウェアラブルな光源プローブの開発を行った。フレキシブル樹脂筐体に、12個のSMD型LEDを光学シミュレーションにより求めた最適な位置に実装することで、φ45mmの照射面積において67mW/cm2の照度、89%の面内照度均一性を達成した。重量は76gであり装着可能であることも確認した。また、装着部温度は最大37℃で医療機器の装着部規格43℃以下を満足する結果であった。 さらに、痛み抑制に向け放射照度の低減検討も実施した。放射照度を約1/3の24mW/cm2にした場合、冷却ファンが不要となり光源プローブは約30%ダウンの50gまで軽量化できた。加えて、光源をLEDから半導体レーザ(LD:Laser Diode)に置き換えることで、分光分布の狭帯化が可能となり、治療照射量が低減され求められる照度を低下できる。また、熱源を患部から離すことができるため照射部の自由度が上がることが確認された。これらにより、光源形状の最適化および痛みの抑制に貢献する可能性があることを見出した。
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