2019 Fiscal Year Research-status Report
悪性黒色腫由来の癌関連線維芽細胞が癌リンパ管新生に及ぼす影響とその阻害薬の開発
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19K17783
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
前田 周作 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30817789)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 癌関連線維芽細胞 / リンパ管内皮細胞 / リンパ管新生 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度はヒト皮膚微小リンパ管内皮細胞(HLEC)及び皮膚悪性黒色腫由来の癌関連線維芽細胞(CAF)を用いて各種実験を行った。HLECにCAFから採取した培養上清を加えた群(CAF群)、また悪性黒色腫から採取した上清を加えて培養したCAFから得た培養上清を加えた群 (MMCAF群)を準備し、対照群と比較した。HLECの増殖能に対する影響を調べるためにMTTアッセイ、tube formationアッセイを行った。再現性を得るためにそれぞれのアッセイを複数回行い評価した。MTTアッセイにおいては、CAF群、対照群と比較してMMCAF群で有意に増殖能が高いとの結果が得られた。tube formationアッセイにおいては、対照群と比較してCAF群で有意にリンパ管新生が促進している結果となった。 以上の結果より、腫瘍細胞の影響下にあるCAFの上清にはHLECの増殖を促進するサイトカインが含まれている可能性が示唆された。2020年度以降はCAFの上清中に分泌されたリンパ管増殖因子をサイトカインアレイにより同定する。また、CAF上清中のエクソソームを抽出し、マイクロRNAの発現プロファイリング行う。それらの物質の阻害剤を用いてリンパ管新生が抑制されるかどうかを確認する。リンパ管増殖を促進するサイトカイン、マイクロRNAが確定することにより阻害剤の開発、臨床への応用へつなげることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
樹立していた癌関連線維芽細胞と正常線維芽細胞のペアが活性低下によって年度途中で使用できなくなり、上清のサイトカインアレイは行えなかった。年度末に新たに樹立できたペアがあるため今後できるだけ早期にサイトカインアレイから再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の影響で研究室が閉鎖となっており、実験可能となった段階でサイトカインアレイから再開していく。その後は当初の計画どおり進めていく予定である。 現時点での実験結果についてはAmarican Association for Cancer Reserch 2020 annual meeting(San Diego, 4/24-29)で発表予定であったが、コロナウイルス感染症の影響で延期となった。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れていること、リンパ管内皮細胞の調達については年度末以降、海外からの納品が未定となっており、必要資料が調達できない、もしくは遅れていることが挙げられる。 コロナウイルス感染症の影響により研究室が現在閉鎖となっているため、実験が再開可能となった段階で、計画書通りに実験を進めていく予定である。
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