2021 Fiscal Year Annual Research Report
電解水と低温プラズマを利用した新しい創傷治癒法の開発
Project/Area Number |
19K17791
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
目代 貴之 東北大学, 金属材料研究所, 特任助教 (30466544)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プラズマ医療 / 電解水 / 低温プラズマ / 活性酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では創傷治癒における創傷面環境を改善する新しい治癒技術の構築を目指している。創傷治癒促進のためには、創面環境を整えることが重要である。特に、慢性皮膚創傷の創傷治癒促進のためには、創面環境調整と湿潤環境下療法を実践する必要もあるとされており、細菌感染や真菌感染を合併した汚染創については、湿潤環境を保つことで、創傷治癒を遅延させる可能性がある。したがって、本研究では、創傷環境改善方法として、電気分解により得られる酸性電解水の殺菌作用を用いて洗浄殺菌を行い、プラズマ照射による細胞活性化を行うことにより創傷面環境を改善する新しい治癒技術の構築を目的とした。そのため、傷の治癒において、生体機能が正常に機能するよう損傷部の環境を整えることを第一に考えている。これまで、創傷環境を清潔に整える方法としてNaCl水溶液を電気分解して使用する酸性電解水を作製し殺菌効果に関して確認した。また、プラズマ照射装置を作製して、プラズマ照射から生成される化学種、特に活性酸素種に関しては、電子スピン共鳴装置を用いたスピントラッピング法にて研究調査を実施してきた。そのため、本年度は、研究計画どおり動物実験を主体とした in vivoにおけるプラズマ照射での治癒効果において研究を実施した。動物実験にはラットを用いて、傷を作製後、ある一定期間、毎日プラズマを照射した。処置した患部に関しては、病理標本を作製するため、創を摘出し、組織切片を作製した。その後、染色して鏡検を行った。その結果、プラズマ処置ありとなしとでは若干ではあるが差異が認められた。しかしながら、プラズマ処置における効果に関しては今後も引き続き検証を行う必要がある。
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Research Products
(4 results)