2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K17801
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇都宮 亮 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (30795018)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乾燥 / 皮脂欠乏性湿疹 / 保湿 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾燥は皮膚バリアを障害し、皮脂欠乏性皮膚炎の発症やアトピー性皮膚炎の増悪を引き起こすことが知られている。本研究は、乾燥状態のヒト角化細胞に与える影響、乾燥に伴って生じる疾患の病態解析、治療方法の検討のため、より正常皮膚に近い三次元構造を構築したヒト皮膚角化細胞の乾燥モデルを作成することを目的としている。 通常の三次元培養表皮を作成する過程では、装置内の環境は相対湿度100%の環境であり、乾燥刺激は通常の環境とは同一ではない。そのため、まず培養器内部の湿度を吸湿し、三次元培養表皮の接する空気の相対湿度を約30%に保つ機構を構築した。 この環境は絶対湿度換算では43g/m3程度の湿度を13g/m3程度まで低減したことに相当する。現在の環境では20℃気温で相対湿度75%程度の絶対湿度に相当する。 この環境で三次元培養表皮の刺激を行い、ワセリン、ヘパリン類似物質の塗布実験を行った。炎症性サイトカインの発現を検討している。 乾燥環境を冬季の絶対湿度を想定した時に、最終的な絶対湿度の想定値を3~5g程度に定め、今後はさらに絶対湿度を低減し、より有効な乾燥培養環境の作成を継続して行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乾燥実験方法について、企業の協力を要請し新規の実験環境の構築を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
企業の制作した乾燥実験環境を活かし、温度変化による絶対湿度の変化を記録し、安定した乾燥培養環境を確立する。その後、乾燥培養環境における角化細胞の三次元培養実験を行う。長期間の培養環境の安定を目指し、環境の維持に必要な条件を検討する。
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Causes of Carryover |
学会での情報発表及び収集について、本年度は行わず、旅費が不要となった。異なる温度・湿度環境での実験を行うため、インキュベーターを追加購入し、実験環境を構築する。
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