2019 Fiscal Year Research-status Report
Study of severity and prognostic factors in patients with pseudoxanthoma elasticum
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19K17802
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 聰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00621947)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Pseudoxanthoma elasticum |
Outline of Annual Research Achievements |
弾性線維性仮性黄色腫(PXE)は、弾性線維に変性、石灰化をきたす常染色体劣性の遺伝性疾患である。PXE患者では、皮膚だけではなく、眼や心血管など弾性線維に富む組織が障害され、失明によるQOLの低下や虚血性心疾患、脳梗塞の原因ともなり得る全身性の進行性疾患である。PXEの責任遺伝子はAB CC6であることがわかっており、PXE患者では血中のピロリン酸濃度が低下していることが知られているが、重症度との相関性を論じた報告はなく、重症度を規定する因子は未だ不明である。 本研究の目的は、抗石灰化因子であるfetuin-A、matrix gla protein、osteocalcin、ankylosis proteinに着目し、その血中濃度と重症度の相関性を解析することで重症度規定因子や予後予測因子を明らかにすることにある。重症度の評価には国際基準であるPhenodex scoreだけではなく、当教室が独自に作成したderm-score、また重症度をより反映する目的に作成された本邦の重症度基準を用いて評価した。 我々は、現在までに直接シークエンス法およびMLPA法を用いて150を超えるPXE患者の遺伝子解析を終了した。また、ELISAキットを用いてfetuin-A、matrix gla protein、osteocalcin、ankylosis proteinの血中濃度の測定のための条件設定を行った。今後、遺伝子型や重症度との相関性についても統計学的に解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、遺伝子変異を解析し、血中の抗石灰化因子の濃度を測定できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、測定した抗石灰化因子と遺伝子型、重症度その相関性を統計学的に解析することまでを予定している。解析結果を基に、重症化の規定因子や予後予測因子の同定を目標とする。また、予備実験として、同定した遺伝子変異をHep G2細胞や293T細胞、TIG-113細胞に導入し、Ca動態やMg動態、抗石灰化タンパク動態を比較し、ピロリン酸濃度との相関性を検証したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナ肺炎の感染拡大もあり、国際学会への研究データ発表機会がなかったこと、また、ELISAキットの条件設定が終了するまで人数分のELISAキットの購入を見送ったため、次年度使用が生じている。 使用計画としては、培養細胞やELISAキットを購入して計画していた解析を進め、さらに学会発表や論文作成を行うための費用に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)