2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K17813
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
宮部 千恵 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (80540426)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血管炎 / 免疫チェックポイント / T細胞 / PD-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管炎は、腎臓、肺、神経など全身の臓器に多彩な症状を呈するにもかかわらず、明らかな病因・病態が解明されておらず、病態メカニズムに基づいた有効な治療法の確立が求められている。 PD-1に代表される抑制性共刺激分子は、T細胞の免疫疲弊を誘導することで、過剰な免疫反応を制御する役割を持つが、近年がんだけでなく自己免疫性疾患への関与が注目されている。本研究では、血管炎で症状の現れやすい皮膚組織、および末梢血標本を用いて、血管炎発症における抑制性共刺激分子の動態を明らかにし、新たな診断・治療標的となる可能性を検討することを目的とする。 今年度は、学内倫理委員会の承認を得た上で、ANCA関連血管炎、IgA血管炎、皮膚動脈炎などの血管炎患者のリクルートを行い、臨床検体の収集を進めた。血管炎患者末梢血よりPBMCを分離し、各種マーカーで染色してフローサイトメトリーで解析した所、血管炎患者では健常人と比べて末梢血T細胞のPD-1発現が上昇している可能性が示唆された。また、皮膚生検で採取された標本を、同じくフローサイトメトリーで解析する際に、皮膚組織からの単細胞分離が必要となるが、酵素処理により一定の割合で細胞障害が生じる。死細胞の割合を最小限にして、正確なデータを得るために、皮膚組織を酵素処理する際のプロトコールの調整を行なった。これにより、最適な組織処理プロトコールを確立することができたため、皮膚組織を用いた解析を更に進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時期により増減があったが、概ね順調に検体採取を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、収集した臨床検体の解析を実験計画に沿って遂行中である。病理組織染色、フローサイトメトリー、PCR等で末梢血と皮膚組織における抑制性共刺激分子の動態を包括的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、残金が約9万円発生したが、来年度は更にサンプルの解析を進めたり、学会発表を行う予定のため、物品費や旅費が今年度より多くかかる予定である。
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Research Products
(7 results)