2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K17813
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宮部 千恵 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80540426)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管炎 / 免疫チェックポイント / T細胞 / PD-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度までに、合計19名の血管炎患者検体、および16名の健常者コントロール検体を収集した。これらのサンプルから得た実験データの解析を進め、下記の結果を得た。 末梢血PBMCより分離したT細胞の表面マーカーを解析したところ、血管炎患者においてPD-1, CTLA-4などの免疫チェックポイント分子の発現が亢進しており、全身型血管炎よりも皮膚限局型の血管炎で、より高発現していた。また、血管炎患者の末梢血PBMCにおいて、PD-1陽性Ki67陽性T細胞が増加しており、一方でIL-17陽性Ki67陽性T細胞も増加していることがわかった。定量PCRによる検討では、血管炎皮膚組織において、健常皮膚組織と比較してPD-1のリガンドであるP-L1が高発現していた。免疫染色においても、PD-L1が血管炎皮膚組織で血管周囲の細胞に多く発現していた。皮膚組織を酵素処理して単細胞を分離し、T細胞profileを検討したところ、血管炎皮膚組織ではKi67陽性と、GranzymeB陽性のT細胞が増加していた。血漿中の可溶性PD-L1値を定量したところ、全身型の血管炎で特に上昇が見られ、血漿中可溶性PD-L1値は発熱、CRPなどの炎症反応の有無と相関が見られた。このように、PD-L1/PD-1系をはじめとする免疫チェックポイント分子発現の変化が、血管炎の病態における過剰なT細胞活性化の制御に寄与している可能性が示唆された。 本年度、上記の研究結果をまとめて、英語論文作成を行い、学術雑誌に投稿を行い受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英文雑誌に今回の研究結果を投稿し、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
更に血管炎患者検体の収集を継続し、疾患予後と免疫チェックポイント分子発現の関連性についても検証していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内外での学会参加をほとんど行うことができなかったため、残金が発生した。来年度は、今年度行えなかった学会発表等を行いたいと考えている。
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Research Products
(6 results)