2019 Fiscal Year Research-status Report
単球サブセットの分化制御とMφのクリアランス障害に対するセマフォリンの機能解析
Project/Area Number |
19K17840
|
Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
山口 航 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (70611713)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 単球 / 分化制御 / マクロファージ / クリアランス |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス末梢血および骨髄由来の単球を分離して解析を行った結果、Sema4Dが単球サブセットの分化制御に関与することが明らかとなった。Ly6C陽性単球からLy6C陰性単球への分化にはNR4A1が関与することが知られており、Sema4Dが抑制的に作用している可能性が示唆された。今後さらに分化関連遺伝子の詳細な解析を実施予定である。併せて、増殖能や細胞死におけるSema4Dの影響についても検討したが、影響は見られなかった。 また、加齢とともに脾臓に鉄が蓄積しており、自己免疫疾患に伴って進行していることを確認した。鉄代謝調節ホルモンであるヘプシジンに変動はなく、さらに赤血球寿命の短縮によるものでもなかった。In vivo および in vitro において、脾臓マクロファージの老廃赤血球貪食能はSema4D欠失マウスで亢進しており、これが原因であると考えられた。そこで in vitro における救済実験を実施したところ、救済できなかったため、Sema4Dが直接的に老廃赤血球の貪食作用に影響を及ぼしていないことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記載したように、概ね良い結果が得られている。しかし一部のin vitroの救済実験において、予測していた結果と異なる結果が得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初想定していたメカニズムと異なる制御システムであると考えられ、その解析を早急に行う必要がある。また、血清や全血を用いた外部委託の検査について、加齢マウスの準備が必要である。
|
Causes of Carryover |
国際学会に参加予定であったが、コロナの影響によりバーチャル会議に移行したため、旅費の使用分が無くなった。 投稿中の論文がアクセプトに至らなかったため、投稿料金が次年度にずれ込んでいる。 末梢血および骨髄からの単球分離における解析が思っていたよりも順調に進んだため、分離キットの購入が抑制できている。
|