2019 Fiscal Year Research-status Report
Targeting DNA repair system for a novel treatment of refractory / relapsed acute myeloid leukemia
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19K17842
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
脇田 知志 日本医科大学, 医学部, 講師 (70465350)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病細胞株におけるDNA修復に関わるタンパク質の発現・局在解析を行った。具体的には、TP53変異型細胞株であるHL60(TP53Null), THP1(TP53変異陽性: c.520_545del26), KG1(TP53変異陽性: c.672+1G>A), TP53野生型細胞株であるOCI-AML3(NPM1変異陽性), MOLM13(FLT3-ITD変異片アレル陽性), MV4-11(FLT3-ITD変異両アレル陽性)を用いてDNA修復に関わるタンパク質の発現・局在を評価し、細胞質-核分画処理後の分画検体を用いたWestern Blot法による解析を行った。 現在までに、急性骨髄性白血病細胞株においてDNAのdouble strand breakを反映するγ-H2AXが核内で高発現していることが複数株で確認された。この事実は急性骨髄性白血病細胞においてDNA損傷が恒常的に生じていることを意味している。また、γ-H2AXが核内で高発現している細胞株ではBER修復を担うAPE1やPARP1、HR修復を担うBRCA1/2やRAD51の発現が亢進していることも同時に同定された。これらのDNA修復機構のメディエイターが細胞生存に重要な働きをしている可能性が高い。上記の成果など、これまでに計画書作成時の仮説を肯定する結果が得られており、今後の発展が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近況ではγ-H2AXの核内集積が確認された細胞株に対してDNA修復機構のメディエイターであるRAD51/APE1/PARP1に配列特異的なsiRNAの導入し、処理後にX線照射でDNA損傷の誘導を行ったうえでアポトーシス、細胞周期を評価・解析する計画であったが、急性骨髄性白血病細胞株が浮遊細胞であるためか導入効率が著しく低く、これにより進捗が停滞している。今後は、ウィルスベクターを用いた導入を行いトラブルシューティングしていく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
γ-H2AXの核内集積が確認された細胞株に対してDNA修復機構のメディエイターであるRAD51/APE1/PARP1に配列特異的なshRNA配列を導入したレンチウイルスベクターを用いて遺伝子導入を行う計画である。DNA修復が阻害されることで、アポトーシスが亢進することや、G1・G2期での細胞周期の停止が生じることを期待している。以降の実験では、事前の実験で細胞抑制効果が確認された標的タンパクに対する分子標的薬の投与を計画している。RAD51阻害薬であるBO2、APE1阻害薬であるCRT0044876、PARP1阻害薬であるOlaparibなどの効果に期待している。 また、同実験において効果的な薬剤が同定された場合には臨床検体を用いたタンパク発現解析およびコロニー形成アッセイも計画している。これまでに初発・再発AML患者20人を対象としてた凍結検体保存を進めており、効果的であった薬剤を用いた薬剤添加培地コロニー形成アッセイを行うための体制を整えている。
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Causes of Carryover |
2020年1月以降、研究室の改修工事やコロナウィルスによる緊急事態宣言などが重なり、研究が停滞した。今後、レンチウイルスベクターの作成や分子標的薬を用いた研究が必用であり来年度分に持ち越し使用予定である。
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