2022 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞性白血病リンパ腫におけるSTAT3活性化とインターフェロン療法の関連性
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19K17862
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
森近 一穂 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90793943)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | STAT3 / リン酸化 / DNAシークエンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
申請課題の研究については仮説通りに行かなかったため、以下の研究を並行した。 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は最も頻度の高い悪性リンパ腫であり、JAK-STAT3経路は発がんに関わる重要な分子経路の一つと考えられている。我々はSTAT3活性化への関与が指摘されている代表的な分子学的異常(MYD88変異、STAT3変異、SOCS1変異およびEBウイルス感染)について診断時のフォルマリン固定検体265例を用いて解析し、臨床病理学的所見との関係性を調べた。結果として、MYD88L265P変異、STAT3変異およびEBウイルス感染例は有意にpSTAT3発現に関連していたが、意外な事にSOCS1変異やnon-L265P型のMYD88変異との関連性は認めなかった。また、一般的にSTAT3活性化は細胞増殖を促進するため、pSTAT3陽性症例はより臨床的にaggressiveであると想定されるが、これまでの報告は予後に関して一定の結論に達していなかった。今回の解析によりリン酸化STAT3陽性GCB型は5年生存率が92%であるのに対し、pSTAT3陽性non-GCB型は45%と、Cell of OriginによりpSTAT3発現の臨床的意義が大きく異なることがわかった。特にpSTAT3陽性GCB型はIPIも加えた多変量解析でも予後良好因子として抽出された。リン酸化STAT3陽性GCB型はMYD88L265P変異、EZH2変異、EBウイルス感染、BCL2/MYCの再構成といった予後不良とされる分子異常を伴う頻度が有意に低く、このことが予後良好と関連する背景として考えられた。 pSTAT3陽性DLBCLはSTAT3阻害剤の適応になりうると思われるが、GCB型の場合は通常化学療法により非常に良好な予後が期待されるため、治験対象としてはnon-GCB/ABC型の症例に限るべきと考えられる。
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[Journal Article] Clinically amyopathic dermatomyositis manifested after the allogeneic haematopoietic stem cell transplantation: Case presentation and literature review2023
Author(s)
Miyagi R, Nakachi S, Tamaki Y, Doi M, Nakajima T, Kitamura S, Tomori S, Hanashiro T, Tamaki K, Morichika K, Nishi Y, Morishima S, Fukushima T, Masuzaki H.
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Journal Title
Mod Rheumatol Case Rep
Volume: 7
Pages: 102-107
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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