2020 Fiscal Year Annual Research Report
マントル細胞リンパ腫におけるmir17-92クラスターの網羅的機能解析と治療開発
Project/Area Number |
19K17867
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
塚本 拓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50825049)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マントル細胞リンパ腫 / B細胞受容体シグナル / mir-17~92 cluster / Pulldown-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマントル細胞リンパ腫(MCL)において、micro RNA(miRNA)であるmir-17~92 cluster高発現の機能的意義を明らかにするため、mir-17~92 clusterの標的分子の同定に取り組んだ。ビオチン標識miRNAをMCL細胞株およびHEK293T細胞に導入し、標的RNAを抽出し次世代シーケンサー解析を行った(Pulldown-Seq)。各々のmiRNAの標的RNAのプロファイルはMCL細胞と293T細胞で異なっており、miRNAの標的は組織によって異なることが示唆された。さらに、MCL細胞におけるmir-17~92 clusterの標的として、Siglecファミリー遺伝子をはじめとしたB細胞受容体(BCR)シグナルの抑制分子が同定された。MCLにおけるBCRシグナルの過剰活性化は病態形成および治療標的として重要な役割を担っているが、その活性化機序は十分解明されていない。本研究より、mir-17~92 clusterの高発現がBCRシグナル抑制分子の発現を負の方向に制御することにより、BCR過剰活性化の一端を担っていると考えられた。これらの知見にもとづき、現在、mir-17~92 clusterが標的とするBCR抑制分子の発現状態の臨床的意義の検証、ならびにin vitroでの発現制御実験を通して、新たな治療標的としての可能性を探索すべく、今後の研究を計画している。
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