2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K17870
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
三島 由祐子 杏林大学, 保健学部, 助教 (90815771)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RhD / 発現制御メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
輸血療法においてRhD抗原はABOとならぶ主要血液型抗原である。D抗原の発現は赤血球の形態維持に関与しており、D抗原関連分子群が正常に働かなくなると赤血球は正常な形態を保てなくなる。これまでに、D抗原の発現制御に重要なのは、Rhファミリー分子およびその他の相互作用分子との膜蛋白複合体形成と、スプライシング制御であることが判明している。 本研究はRhD抗原の発現制御メカニズムをこれら相互作用分子とスプライシング制御機構に着目して検討、その分子間ネットワークを明らかにすることを目的とする。 本年は相互作用分子の機能解析を目的に、RhDの既知の相互作用分子、候補分子について蛋白・蛋白間相互作用が具体的にどの蛋白間で起きているのか検討した。まずRhDの各アイソフォームを組み込んだN末端GFP, Myc, HA, Flag-tag付の強制発現ベクターを作成し、これと相互作用分子としてAnkyrin1, RhAGに GFP, Myc, HA-tagを付けた全長・各機能ドメイン の強制発現ベクターを293細胞に同時導入した。抗Flag, 抗Myc, 抗GFP抗体を用いた免疫沈降によりRhD蛋白と直接相互作用するキー分子の絞り込みを試みた。しかし明らかなRhDタンパクの発現減弱は見られず、Ankyrin1, RhAGは直接相互作用するキー分子であることは言えないことがわかった。続いて新たな相互作用分子の候補として球状赤血球症原因遺伝子として知られるspectrinA, spectrinB, band3を選択し、これらのMyc-tag、 HA-tag、Flag-tagあるいはGFP-tag付き強制発現ベクターを作製、RhD各アイソフォームのMyc, HA, FlagあるいはGFP-tag付きベクターとの様々な組み合わせで293細胞への同時導入、免疫沈降を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫沈降にて相互作用分子の同定を試みたが、反応がうまくいく組み合わせを調べるのに時間を要した。また、spectrinA, spectrinBは長さが7kbpほどあり、ベクターへの組み込みが困難で、組み込んだ場合もウエスタンブロットで正しく検出されず、また、293細胞への導入効率に影響を及ぼすことが考えられ、作製に困難を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた直接相互作用分子についてはD抗原の強制発現系と赤芽球系細胞株K562に同時導入し、正常D抗原発現細胞モデルの作成を試みる。また、RhDの正常C末端のドメインをベイトにし、市販のユニバーサルヒトライブラリを用いたツーハイブリッドアッセイ、biopanningを行い、新規相互作用分子の候補を得る。得られた候補分子配列を哺乳類細胞の強制発現ベクター挿入し、293にRhD発現系と同時導入、免疫沈降法にて結合を確認する。 site directed PCR mutagenesis でcloning vector上で欠失や点変異を導入、これをdual-reporter付きのカセットベクターに乗せ換え、293に一過性に導入したさい のスプライシングパターンを評価してESE配列を同定することでスプライシング制御機構の解明を試みる。同定したESE配列を含むRNA-probeをin vitro transcription で作成し、RNAゲルシフトアッセイ等を行い、ESEに直接結合するSRSF (serine arginine rich splicing factor) その他のRNA結合分子を同定する。 得られたRhDのエクソン7, 8, 9 のESEを含むビオチン化RNA probe を作成、これをアビジンコートプレートに固定、biopanning の手法で、結合分子の候補を得る。得られた候補分子リストから局在や機能モチーフのin silico 解析でRNA結合蛋白の候補を絞り込む。確認が得られた分子についてはK562を用いたノックダウン細胞を作成、赤芽球分化を誘導して実際の内在性RhDのスプライシングに影響を及ぼすか確認する。
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Causes of Carryover |
初年度であり、費用のかかる解析のための準備に時間を要したため、来年度使用する予定
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