2022 Fiscal Year Annual Research Report
急性骨髄性白血病におけるRAS経路関連遺伝子の意義
Project/Area Number |
19K17873
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
由井 俊輔 日本医科大学, 医学部, 講師 (30740542)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | AML / 予後 / RAS経路関連遺伝子 / N-RAS / K-RAS / NPM1 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病(AML)の約1400検体の遺伝子解析の結果、正常核型でFLT3-ITD遺伝子変異陰性かつNPM1遺伝子変異陽性患者群で、RAS経路関連遺伝子のN-RAS 遺伝子変異陽性群とK-RAS遺伝子変異陽性群が予後良好の傾向であった。臨床データから得られた情報が真実であることを確認するために、IL3依存性マウスのAML細胞株である32DcにN-RASとK-RASさらにはNPM1遺伝子の野生型と変異型を導入し、薬剤感受性試験と機能解析を行うことを考えていたが、32DcにN-RASとK-RASの遺伝子変異型を導入したところ、細胞増殖がむしろ低下してしまい、遺伝子導入した細胞は検鏡したところ単球系へ分化していた。そこで、ヒトのMDS細胞株のF36PにN-RASとK-RAS、NPM1遺伝子の野生型と変異型を導入することを試みた。これに関しても細胞増殖が予想に反して低下してしまい、再度実験系を検証しているところである。また、正常核型でFLT3-ITD遺伝子変異陰性かつNPM1遺伝子変異陽性患者群で、他のclassI遺伝子のJAK3とWT1に遺伝子変異があると予後不良な傾向であったことから、上記と同様に32DcやF36PへJAK3やWT1を導入し、N-RASやK-RASの遺伝子変異群と比較することも行いたいと考えているが、その前段階の実験で止まっている。 その間に解析可能なAML患者さんの追加検体と臨床データが、500症例加わったことから、現在次世代シークエンサーで500検体を追加で解析している。さらにN数を増やしてRAS経路関連遺伝子と予後に関する臨床データを再検証し、そこから細胞を使用した実験計画を組みなおす予定である。
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