2021 Fiscal Year Annual Research Report
急性骨髄性白血病(AML)におけるTXNIPによるオートファジー制御機構の解明
Project/Area Number |
19K17875
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Research Institution | Shubun University |
Principal Investigator |
能浦 三奈 修文大学, 医療科学部, 助手 (90828401)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AML / TXNIP |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の研究室で報告されたThioredoxin interacting protein (TXNIP)は肝がん、乳がん、甲状腺がんなど様々ながんで発現低下が報告されている腫瘍抑制遺伝子である。AMLにおいてもエピジェネティクス異常により発現が低下しているが、白血病発症との関連性は不明である。MLL遺伝子再構成陽性AML細胞株MOLM-13およびMV4-11にテトラサイクリン誘導性TXNIP過剰発現ベクターを導入したところ、両細胞株において細胞増殖が有意に抑制された。またTXNIP過剰発現によりオートファジーが誘導されることが明らかになった。これまでの研究結果より、TXNIPによる細胞増殖抑制には複数の機構が存在することが示唆されている。これらを明らかにすることを目的とし、今年度はTXNIP過剰発現による転写の変化やリン酸化タンパク質の変化について検討した。TXNIP過剰発現AML細胞株においてマイクロアレイを実施し、TXNIP過剰発現により発現が上昇する遺伝子についてパスウェイ解析を行ったところ、脂質代謝に関与する遺伝子群が変動していることが明らかになった。またキナーゼアレイによりTXNIP過剰発現によるリン酸化の変化を調べたところ、ERKのリン酸化の増加が顕著に認められた。また昨年度の研究によりTXNIPはBcl-2 family阻害剤であるABT-263のアポトーシス誘導作用を増強することを明らかにしたが、Bcl-2のみを阻害するABT-199との併用効果を調べたところ、同様の効果は得られなかった。これよりTXNIPによるABT-263のアポトーシス誘導増強にはBcl-xLが重要であることが示唆された。
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