2021 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスのマルチオミックス解析による新規バイオマーカーの開発
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19K17892
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊池 潤 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20570881)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 末梢血免疫細胞 / ループス腎炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
初めに、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)の予後を規定する指標の構築を目的として、低疾患活動性状態(LLDAS; Lupus Low Disease Activity Score)達成の時期を検討した。活動性SLEにおいて寛解導入療法開始後12ヶ月以内のLLDASを達成することが、臨床的アウトカム(重症再燃低下、ステロイド積算量低値、期間中のLLDAS達割合高値)と関連することを示した。次に活動性SLEにおける寛解導入療法開始後の末梢血免疫細胞の変動を特定した。特にシクロホスファミド治療群ではCD4陽性T細胞全体、主にナイーブCD4陽性T細胞が有意に減少し、B細胞全体及びナイーブB細胞が有意に低下した一方、ミコフェノール酸モフェチル治療群ではナイーブCD4陽性T細胞とナイーブB細胞の変動は見出せず、活性化CD4陽性T細胞、活性化CD8陽性T細胞、plasmablast、plasma細胞、樹状細胞割合の低下が見出された。すなわち、寛解導入療法として主に用いられる2剤で変動する末梢血免疫細胞の種類が異なることを示した。さらに、臨床的アウトカムとの関連因子として、末梢血Plasmablastの変動が治療予後と関連することを見出し、12ヶ月以内LLDAS達成と関連する細胞分画の変動を免疫抑制剤ごと見出すことができた。臓器特異的な検討としてループス腎炎に着目した。臨床的に深い寛解状態と関連する末梢血免疫細胞としてT細胞、単球、樹状細胞、形質細胞分画が見出された。さらに、腎生検で得た組織学的な検討を行い、尿中タンパク質の解析を行い、活動性所見および間質病変所見と関連する病態として種々のパスウェイが関連することを示した。
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Research Products
(3 results)