2020 Fiscal Year Research-status Report
CyTOFを用いた自己免疫疾患病態におけるセマフォリンと免疫細胞動態の網羅的解析
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19K17905
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 貴義 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (90728685)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CyTOF / セマフォリン / マスサイトメトリー / SLE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究採択後より、SLE患者におけるCyTOFを用いたimmunophenotypingの手法確立を進めてきた。昨年度の実績としてCyTOFにてセマフォリン(Sema4A, Sema4D, Sema6D, Sema7A)を評価可能なことをプレリミナリーな実験で確認できており、Sema4Dを発現する特定のリンパ球集団がSLE病態で増加傾向を示す可能性があることを確認できた。 詳細なセマフォリン解析の前に、SLE患者におけるImmunophentyping手法を確立することとした。その過程の中で、活性化免疫細胞集団を網羅的に捉えることができるマーカーを発見し、通常の免疫細胞集団割合の情報だけでは捉えることができなかった、SLE患者の臨床症状と特異的に関連する活性化免疫細胞集団やI型インターフェロンと活性化免疫細胞集団との関連性を捉えることに成功した。現在この結果については本研究の成果として、データをまとめ海外雑誌への論文投稿を進めている状況である。 今回得られた知見をもとに活性化免疫細胞集団におけるセマフォリン分子発現パターンをより詳細にすることで今回SLE患者の症状と関連する特異的な免疫細胞集団とセマフォリン分子との関連性を捉えることができるのではないかと期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19のパンデミックの影響があり、初年度については本研究自体を進めることが難しい状況となり、2年度目についても、CyTOFを用いた研究解析をCOVID-19の病態解明のためにエフォートをさかなければならい状況であったため、予想していたプロトコールで研究を進めることができなかった。しかし、CyTOFを用いた免疫細胞動態を網羅的に解析する手法を明確にできたこと、セマフォリン分子をCyTOFでプレリミナリーに解析できた成果は得られることができた。COVID-19の影響がなければそこからさらにセマフォリン分子による解析が実施できたのではないかと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後本研究で得られたCyTOF解析手法を背景に、改めてSLE患者における免疫細胞のセマフォリン発現を解析し、SLE病態におけるセマフォリン分子の意義を捉え、診断、治療標的などへの可能性を評価していきたいと考えている。 また、SLEだけにとどまらず包括的な活性化免疫細胞集団のImmunophenotypeを様々な自己免疫疾患の病態評価に応用していき、各種症状や治療における活性化免疫細胞の臨床経過における変化を捉えていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックにより、研究計画の遅れが生じ研究計画に合わせたCyTOF測定のための抗体や消耗品の決定と購入タイミングがずれてしまったため、次年度へ繰越とさせていただきました。
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