2021 Fiscal Year Annual Research Report
性依存的な喘息重症化機序を担う気道上皮基底幹細胞の役割と治療標的としての可能性
Project/Area Number |
19K17913
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
宮坂 智充 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (50709912)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 性差医学 / 気道上皮細胞 / 気道上皮基底幹細胞 / IL-33 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期以降の喘息有病率は男性と比べて女性において高く、喘息の再発率や死亡率を指標とした重症度は男性患者と比べて女性患者において高い。加えて、喘息治療にかかる医療費は男性患者と比べて女性患者において高く、医療経済的側面からも女性患者における有病率の増加や喘息重症化の問題を解決することが求められている。喘息病態の性差の背景には、男性患者より女性患者において亢進している2型獲得免疫応答ならびに2型自然免疫応答が存在する。本研究ではこれらの2型免疫応答の惹起に中心的な役割をはたす可能性が示唆される気道上皮基底幹細胞の性依存的機能変化に着目して検討を行った。ダニアレルゲン誘発型喘息モデルマウスにおいて、オスマウスと比較してメスマウスでは、喘息反応が亢進しており、肺内Th2サイトカインならびにIL-33産生量は、オスマウスよりメスマウスにおいて抗原吸入早期に上昇していた。一方、抗IL-33受容体抗体を投与することにより気管支肺胞洗浄液中の好酸球数、粘液産生量、血清中IgG1量の性差が消失したことから、肺内IL-33産生量の性差が2型免疫応答の性差に関与している可能性が示唆された。そこで次に気道上皮細胞を採取し、IL-33mRNA産生量の性差を経時的に測定したところ、ダニ抗原吸入1時間後のメスマウスはオスマウスと比較してその産生量が有意に増加していた。神経成長因子受容体発現を指標として、気道上皮基底幹細胞を同様のタイミングで分取し、IL-33mRNA量の性差を比較したところ、オスマウスよりメスマウスにおいて有意に増加していた一方で、気道上皮基底幹細胞を除いた残りの気道上皮細胞画分ではIL-33mRNA産生量がメスマウスで増加傾向にあるものの、有意な差は認められなかった。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 好酸球性副鼻腔炎患者の末梢血より採取した樹状細胞とT細胞の免疫学的特徴の解析2022
Author(s)
宮坂智充, 川上佳織, 太田伸男, 増田(鈴木)千愛, 舘田豊, 草野佑典, 東海林史, 北谷栞, 中村豊, 有川智博, 河野資, 高柳元明, 高橋知子, 大野勲.
Organizer
第3回日本アレルギー学会東北地方会
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[Presentation] 気管支喘息におけるTh2型免疫応答の亢進に関与するμオピオイド受容体遺伝子一塩基多型2021
Author(s)
宮坂智充, 川上佳織, 中村豊, 宮田敏, 目時弘仁, 曽良一郎, 山内広平, 河野資, 下川宏明, 高柳元明, 高橋知子, 大野勲
Organizer
第61回日本呼吸器学会学術講演会
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[Presentation] 本邦の好酸球性副鼻腔炎患者の末梢血中T細胞および樹状細胞の免疫学的特徴2021
Author(s)
宮坂智充, 川上佳織, 太田伸男, 増田(鈴木)千愛, 舘田豊, 草野佑典, 東海林史, 北谷栞, 中村豊, 有川智博, 河野資, 高柳元明, 高橋知子, 大野勲.
Organizer
第70回日本アレルギー学会学術大会
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[Presentation] 気管支リンパ節でのTh2細胞の分化に関与するヒトμオピオイド受容体遺伝子一塩基多型2021
Author(s)
宮坂智充, 川上佳織, 中村豊, 宮田敏, 佐藤美希, 目時弘仁, 曽良一郎, 山内広平, 河野資, 下川宏明, 高柳元明, 高橋知子, 大野勲.
Organizer
第70回日本アレルギー学会学術大会
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[Presentation] 気管支喘息におけるTh2細胞分化の亢進に関与するμオピオイド受容体一塩基多型2021
Author(s)
宮坂智充, 川上佳織, 中村豊, 目時弘仁, 宮田敏, 佐藤美希, 曽良一郎, 山内広平, 河野資, 下川宏明, 高橋知子, 高柳元明, 大野勲.
Organizer
アレルギー・好酸球研究会2021
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