2022 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病における寛解導入療法中のサイトメガロウイルス再活性化に関する前方視的研究
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19K17915
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
太田 裕一朗 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (80773051)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サイトメガロウイルス / 再活性化 / 膠原病 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルココルチコイドを主体とした従来の免疫抑制療法が依然として行われている膠原病の急性期治療において、しばしば経験される日和見感染症であるサイトメガロウイルス(CMV)再活性化について解決すべき課題として、以下3つを挙げた。すなわち、(1) CMV再活性化のリスク因子は何か、(2) CMV再活性化に関するモニタリングはいつ、どのような症例で必要か、(3) CMV再活性化に関わる免疫学的機序は何か、である。 今回実施した前向き症例検討により、(1)CMV再活性化リスク因子として糖尿病の合併、悪性疾患の既往、初期プレドニゾロン(PSL)>0.91 mg/kg/day、シクロホスファミド大量静注療法(IVCY)を同定し、(2)これらのリスク因子の該当数が多ければ多いほどCMV再活性化リスクが上昇することを示し、再活性化時のPSL≧37.5 mg/day、CMVアンチゲネミア≧2 個/2スライド、血清アルブミン値<3.0 g/dlがその後の抗CMV薬の必要性を予測することを示した。これらの結果につき、2022年度の日本リウマチ学会学術集会や欧州リウマチ学会学術集会で演題発表を行い、現在論文作成中である。 (3)CMV再活性化に関わる免疫学的機序については、研究室において被験者の末梢血検体からCMV抗体やCMV特異的T細胞の同定を行うプロトコールを検討し、実際の症例から得られた検体の解析を行っている。プロトコール検討に時間を要したため現時点で結論は得られていないが、今後さらなる症例集積と解析を行う方針である。
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