2021 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院と周辺関連施設の薬剤耐性菌の疫学的リンクおよび感染予防管理に関する研究
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19K17940
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
齋藤 浩輝 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80833011)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 / 感染予防管理 / 多剤耐性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規の患者登録は終了し、耐性菌の検出された患者の「持ち込み」の割合、患者の背景分析 および入院前にいた保健/福祉施設のリストアップなど、これまで蓄積した院内での患者情報を取りまとめる段階まで到達した。 患者から検出したESBLなど耐性菌の電気泳動を用いた解析で、それぞれの耐性菌の関連性に関する基礎解析は終わりつつあり、疫学的な関連性の解析が今後の主となる。 周辺施設の感染管理に関する現状調査に関して、新型コロナウイルス感染症流行の関係で、他施設の訪問が制限されている状況が継続し、実地訪問した上での他施設の感染管理状況の把握が難航しているが、オンラインでの会合も織り交ぜて徐々に進めている。一方、新型コロナウイルス感染症や改定された感染対策向上加算の影響で、今まで以上に地域の施設との連携構築への機運が高まっており、お互いの取り組みを評価し改善し合う姿勢が生まれてきた。 R4年度も、各関連施設のさらなる情報収集を進め、また、上記の細菌学的レベルから地域の疫学的リンクを推察する調査との統合を図っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行が続き、施設訪問が難しい状況が続いている。また、主な対象部門である感染予防管理を行う部署は、自施設の新型コロナウ イルス感染症対策で多忙を極めており、タイムリーなフィードバックを得るのが難しい状況がある。 ただ、細菌学的な解析は比較的順調に進められており、上述の関連施設の調査とのデータの突合を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
「持ち込み」症例が前にいた周辺施設の実地調査もしくはオンライン調査を継続し、各施設の感染管理の実態把握に努める。同時に、耐性菌の細菌学的な解析から、感染伝播の疫学的リンクの解析も行うことで、地域全体での耐性菌の広がりに関するリスクと各施設の感染管理レベルとの関連性の調査も進める。
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Causes of Carryover |
R3年度もR2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症流行により、「持ち込み」症例の前いた施設への訪問など、他施設への調査に遅れが生じ、また、学会参加が制限されたため支出が当初の予定通りとはならなかった。ワクチン接種や変異株による疫学状況の変化に伴い、R4年初頭現在は以前よりは施設訪問や学会参加が可能な状況となってきているため、R4年度に研究実施を加速していく。
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