2023 Fiscal Year Annual Research Report
抗体レパトア解析を用いた新たなワクチン有効性評価手法の開発
Project/Area Number |
19K17947
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
佐野 芳 国立感染症研究所, インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター, 研究員 (40832770)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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Keywords | インフルエンザ / IgA抗体 / 経鼻ワクチン / 抗体レパトア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「経鼻不活化インフルエンザワクチンと注射型インフルエンザワクチンの2種類のワクチンの接種により誘導された抗体集団が異なる」という作業仮説に基づき、抗体機能および抗体遺伝子の両面からのアプローチにより、経鼻ワクチンおよび注射型ワクチンにより誘導された抗体集団(レパトア)を明らかにすることを目標としている。 前年度までは、経鼻不活化インフルエンザワクチンおよび注射型不活化インフルエンザワクチンの接種者由来形質芽細胞から抽出した抗体遺伝子をもとに作製したモノクローナルIgG抗体のうち、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)への結合活性が認められた抗体クローンのより詳細な解析を行った。また、哺乳類培養細胞系を用いた組み換え4量体型NAタンパク質の作製および精製系を確立したことにより、今後抗NA抗体の解析に必要な組み換えNAタンパク質の安定的な作製が可能になった。その後、各抗体クローンのIgG、単量体型および多量体型IgAを作製し、抗原への結合活性やウイルス中和活性などの各種抗ウイルス活性を比較したところ、同一の抗体クローンであっても抗体のバックボーンの違いによりこうウイルス活性が大きく変化することが明らかとなった。しかしながらこの活性の違いと抗体遺伝子との直接的な関連を明らかにするためには今後更なる詳細な解析が必要である。また、経鼻不活化インフルエンザワクチン接種者と注射型インフルエンザワクチン接種者の遺伝子レベルでの比較を行ったところ、両者においてワクチン接種により誘導されている抗体遺伝子集団に違いがあることが示唆された。今後、このデータの精査を行なっていく予定である。
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[Journal Article] Detection of SARS-CoV-2 Antibodies in Immunoglobulin Products2023
Author(s)
Cousins Kimberley、Sano Kaori、Lam Brandon、R?ltgen Katharina、Bhavsar Disha、Singh Gagandeep、McRae Oliver、Jeong Stephanie、Aboelregal Nouran、Ho Hsi-en、Boyd Scott、Krammer Florian、Cunningham-Rundles Charlotte
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Journal Title
The Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice
Volume: 11
Pages: 2534~2541.e2
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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