2019 Fiscal Year Research-status Report
PPARgの新規転写共役因子SFPQ/PSFの脂肪細胞の分化における役割
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19K17953
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
土岐 明子 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (30733935)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 白色脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者らは3T3-L1前駆脂肪細胞を用いて、splicing factor proline/glutamine-rich (SFPQ/PSF)にかかわる転写因子群について検討を行ってきた。SFPQ/PSFをノックダウンすると白色脂肪細胞分化が抑制されることが、plreliminaryな結果ではあるが、判明している。electroporation法によってSFPQ/PSF特異的small interfering RNAを3T3-L1前駆脂肪細胞に導入した。その後白色脂肪細胞への分化を誘導し、白色脂肪細胞分化早期あるいは分化後期の転写因子群において、SFPQ/PSFの発現を検討した。定量的PCRを用いたところ、SFPQ/PSFノックダウンにより分化早期から転写因子群の発現低下が認められた。続いて、この効果はPPARγのリガンドであるピオグリタゾンによって補完されるか検討した。10-7Mのピオグリタゾンを添加し分化誘導を行ったところ、SFPQ/PSFノックダウンによる白色脂肪細胞分化の抑制は完全には回復しないことが示唆された。 これらのことから、SFPQ/PSFそれ自体が、白色脂肪細胞において重要な役割を有することが示された。PPARγと関連するだけでなく、その他の因子にも幅広く作用していることが予想される。既報ではmRNAスプライシングやそれにかかわる因子群との連携についても報告されており、本研究においても詳細な検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PPARγ-Helz2-SFPQ/PSF複合体による脂肪細胞分化機構の検討により新たな事実が判明しており、さらなる探索が必要と考えるため。また、COVID19感染拡大防止策により、研究に充てられる時間が制限されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
白色脂肪細胞分化を制御する分子機構やmRNAスプライシングの関与について、引き続き検討を行う。また、新規肥満治療薬の標的となりうる分子についての探索を並行して行う。
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Causes of Carryover |
2019年度の前半は育児休暇を取得しており、また後半はCOVID19の影響で計画に遅れが生じていたことが原因と考えれられます。2020年度の研究計画を見直して遂行しますので、必要経費は順次使用させていただきます。
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