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2019 Fiscal Year Research-status Report

非アルコール性脂肪肝炎におけるエクソソームを介した脂肪組織-肝臓連関機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19K17955
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

小宮 力  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60825256)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
Keywordsエクソソーム / miRNA / NASH
Outline of Annual Research Achievements

1. 高脂肪食誘導肥満で増加する血中エクソソームmiRNAの同定
野生型マウスに通常食または高脂肪食を給餌したところ、経時的に脂肪肝、脂肪組織と肝臓の炎症の増悪を認めた。次に、血清からエクソソームを回収し、次世代シークエンサーを用いてエクソソームが内包するmiRNA(エクソソームmiRNA)の網羅的解析を行ったところ、通常食群に比して高脂肪食群で1.5倍以上に増加したエクソソームmiRNAの数が経時的に増加することを見いだした。同定されたいくつかのエクソソームmiRNAについて、RT-qPCR法により妥当性の確認を行った。増加したエクソソームmiRNAのリストには、これまでにNASHとの関連が報告されているmiRNAが含まれていると同時に、これまで報告のないものが多く含まれていた。
2. 高脂肪食誘導肥満でHIF-1α依存的に脂肪組織から放出されるエクソソームmiRNAの同定
脂肪組織特異的にタモキシフェン誘導性にHIF-1αを欠損するマウスを作製し、タモキシフェン投与により、Hif1aの遺伝子発現が、鼠径部脂肪、褐色脂肪で低下し、肝臓で低下しないことを確認した。精巣周囲脂肪ではHif1aの遺伝子発現が低下しなかったが、脂肪細胞分画と間質血管細胞分画に分離すると、脂肪細胞分画でHif1aの遺伝子発現の低下が確認された。現在、このマウスと対照マウスに高脂肪食を給餌しており、今後、様々な時期でタモキシフェンを投与し、エクソソームmiRNAの網羅的解析を行うことで、高脂肪食誘導肥満でHIF-1α依存的に脂肪組織から放出されるエクソソームmiRNAを同定し、NASHの病態に関与するエクソソームmiRNAの候補を絞り込む。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マウス血清からエクソソームを分離、RNAを抽出し、次世代シークエンサーによりmiRNAを網羅的に解析するまでの一連の工程と、そのvalidationについては方法を確立し、順調に進展した。
脂肪組織特異的にタモキシフェン誘導性にHIF-1αを欠損するマウスの繁殖に想定よりも時間を要したが、タモキシフェン投与による脂肪組織特異的なHif1aの遺伝子発現低下を確認でき、おおむね順調に進展した。
高脂肪食を給餌した野生型マウスのエクソソームmiRNAの網羅的解析により、短期間の高脂肪食給餌では変動するエクソソームmiRNAの種類が少数であることが判明し、想定より長期間の高脂肪食給餌を行う必要が生じたため、高脂肪食誘導肥満でHIF-1α依存的に脂肪組織から放出されるエクソソームmiRNAの同定に時間を要している。

Strategy for Future Research Activity

高脂肪食給餌後、脂肪組織特異的にタモキシフェン誘導性にHIF-1αを欠損させたときの肝臓の遺伝子発現を網羅的に解析し、脂肪組織のHIF-1αの欠損が肝臓に及ぼす影響を検討する。高脂肪食誘導肥満でHIF-1α依存的に脂肪組織から放出されるエクソソームmiRNAを網羅的解析から同定し、肝臓の遺伝子発現変化と、miRNA標的遺伝子のデータベース情報などから、NASHの病態に関与するエクソソームmiRNAの候補を絞り込む。
絞り込んだmiRNAを初代培養肝細胞およびクッパー細胞に導入して遺伝子発現を解析し、代謝や炎症に及ぼす影響を検討する。この検討でさらに絞り込んだmiRNAを培養脂肪細胞で過剰発現させ、培地からエクソソームを回収・蛍光ラベルしてマウスに投与し、エクソソームの肝臓への送達性と肝臓の遺伝子発現を評価する。また、それぞれのmiRNAに対するanti-miRNAを、肥満マウスやNASHモデルマウスに投与して肝臓の遺伝子発現を検討することで、同定したエクソソームmiRNAのNASH病態形成における重要性を検討する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] Sarcopenic obesity is associated with a faster decline in renal function in people with type 2 diabetes.2020

    • Author(s)
      Fukuda T, Bouchi R, Asakawa M, Takeuchi T, Shiba K, Tsujimoto K, Komiya C, Yoshimoto T, Ogawa Y, Yamada T.
    • Journal Title

      Diabet Med

      Volume: 37 Pages: 105-113

    • DOI

      10.1111/dme.14153

    • Peer Reviewed
  • [Book] 医学のあゆみ エクソソームと疾患医学2020

    • Author(s)
      小宮力、山田哲也
    • Total Pages
      5
    • Publisher
      医歯薬出版株式会社
  • [Book] 日本臨牀 NAFLD/NASH2019

    • Author(s)
      小宮力、小川佳宏、山田哲也
    • Total Pages
      7
    • Publisher
      日本臨牀社

URL: 

Published: 2021-01-27  

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