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2020 Fiscal Year Research-status Report

全身及び脂肪組織SDF-1の代謝調節作用の解明

Research Project

Project/Area Number 19K17961
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

SHIN JIHOON  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (00813502)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsSDF-1 / Adipose tissue / TGFβ / Insulin sensitivity / Lipid homeostasis
Outline of Annual Research Achievements

肥満2型糖尿病では脂肪組織のインスリン抵抗性が病態形成に重要な役割を果たすが、そのメカニズムの詳細は明らかでない。私は飢餓状態もしくは肥満糖尿病状態で脂肪細胞からのSDF-1産生が増加し、脂肪細胞自身にautocrineに作用し、インスリン感受性を低下させ、糖取り込みを抑制する因子であることを明らかにした(Shin, et al. Diabetes 2018)。
SDF-1は全身の様々な臓器で発現しており、インスリン標的臓器である骨格筋や肝臓にも発現する。Tamoxifen誘導性に全身でCreを発現するUBC-CreERT2マウスを用い、全身SDF-1欠損マウスを作成し、肝臓や骨格筋を含む全身のインスリン感受性や糖代謝への影響を解析している。また、SDF-1は前駆脂肪細胞にも発現していること、脂肪細胞への分化過程にSDF-1が作用することを見出しつつあり、Tamoxifen誘導性に前駆細胞特異的にCreを発現するPDGFRa-CreERT2マウスを用い、前駆細胞特異的SDF-1欠損マウスを作成し、脂肪細胞分化や脂肪蓄積への影響を解析している。
さらにSDF-1が細胞自律的にインスリン感受性を抑制することから着想を得て、SDF-1と反対にインスリン感受性を促進する因子が存在する可能性を考え、データベースを用いたスクリーニングを行った。その結果、摂食状態で発現量が増加する脂肪細胞由来分泌因子としてTGFβを同定した。これまでTGFβは肥満 病態の脂肪組織で繊維化を誘導する因子として認識されていたが、栄養状態の変化に応じた生理的 な作用は知られていなかった。これまでの研究結果から、摂食時に脂肪細胞におけるTGFβの発現量が増加し、脂肪細胞にautocrine に作用することで、脂肪酸生合成を制御することを明らかにしつつある(論文投稿中)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

脂肪細胞におけるSDF-1のインスリン感受性抑制作用の解析を、さらに発展させ、UBC-CreERT2マウスとPDGFRa-CreERT2マウスを用い、全身及び他のインスリン標的細胞である肝細胞、骨格筋細胞におけるSDF-1の作用及び前駆脂肪細胞におけるSDF-1の作用を調べている。SDF-1の遺伝子発現はヒトの老化に伴い増加すること、そして脂肪細胞機能に関わるAdiponectinやPPARγの発現と逆相関していることを見出し、その関連性を調べている。
さらにSDF-1が細胞自律的にその機能を制御することから着想を得て、SDF-1と反対に脂肪細胞機能を促進する因子が存在する可能性を考え、データベースを用いたスクリーニングを行った結果、TGFβを同定した。これまでTGFβは肥満 病態の脂肪組織で繊維化を誘導する因子として認識されていたが、栄養状態の変化に応じた生理的 な作用は知られていなかった。これまでの研究結果から、摂食時に脂肪細胞におけるTGFβの発現量が増加し、脂肪細胞にautocrine に作用することで、その細胞外マトリックスを調節することで、脂肪酸生合成を制御することを明らかにしつつある(論文投稿中)。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、全身のSDF-1を欠損するマウス及び駆脂肪細胞SDF-1欠損マウスを作成し、糖代謝やインスリン感受性、脂肪細胞分化に対する作用を明らかにする。ヒトの脂肪組織においてSDF-1発現が老化に伴い増加すること、そして脂肪細胞機能に関わるAdiponectinやPPARγの発現と逆相関していることから、これらの関連性を中心に解析を行う予定である。
SDF-1の研究で分かった脂肪細胞自律的な機能制御の内容をさらに発展させ、類似なデータベース解析を行いTGFβを同定した。TGFβは摂食時にその発現量が増加し、Autocrine作用を介し細胞外マトリックスを調節することで、脂肪酸生合成を制御することを明らかにしつつある(論文投稿中)。現在Adiponectin-Creマウスを用いTgfbr2 floxマウスに交配し、脂肪細胞特異的にTGFβ作用をシャットダウンできるマウスを作成したので、インスリン感受性や糖代謝、脂質代謝を中心に解析を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 細胞外マトリックスによる脂肪細胞機能制御2020

    • Author(s)
      Shin Jihoon、福原淳範、大月道夫、下村伊一郎
    • Organizer
      第63回日本糖尿病学会年次学術集会
    • Invited

URL: 

Published: 2021-12-27  

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