2019 Fiscal Year Research-status Report
microRNA/let-7の骨格筋萎縮・糖代謝における機能解析
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19K17966
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡田 博史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (30806831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 糖取り込み能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は骨格筋萎縮においてlet-7クラスターの発現が低下するという独自知見に基づき、let-7が筋組織の糖取り込みを調整するという着想から実施する研究である。現在は筋管細胞でのlet-7e発現亢進がglut4の遺伝子発現を制御し糖取り込み能を高めるかどうかの細胞実験の進行中である。 マウス筋芽細胞C2C12にlet-7eの遺伝子導入を行い、各時点でRT-PCRにて遺伝子発現を確認。let-7eの発現を確認したのちにglut4およびgapdhをTaqman real-time PCR assayに定量し評価中である。同時にATP活性をBerthold Detection Systems Orion Lで測定している。また、グルコース取り込み能、タンパク合成能をも算出中である。細胞内シグナルとしてインスリン(100ng/ml)刺激を実施し、刺激前、刺激後、0.5, 1, 2, 6, 12, 24時間後に細胞抽出物を回収し、ウエスタンブロット法によりpAkt, Akt, p4EBP1, 4EBP1, pS6K, S6K量を定量的に測定中である。 細胞レベルでのlet-7eの発現が糖取り込み能の調整と関連していれば、サルコぺニアにおける糖取り込み能低下の一要因と考えられる。in vitro/in vivoでの検証を経てlet-7が2型糖尿病に対する核酸医薬品となりうる可能性を提示できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に支障なし
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Strategy for Future Research Activity |
細胞実験終了後はマウスでの検討を予定している
(タモキシフェン誘導性骨格筋特異的let-7欠損マウスでの検討) CRE組み換え酵素によりlet7ノックダウンマウスを導入する。 let7CKOマウスおよびMyf5CreERマウスの7週齢雄マウスにタモキシフェンを投与、8週齢から12週齢にかけ高脂肪高ショ糖食を給餌し肥満・糖代謝障害を発症させる(各群10匹・合計20匹)。体重、随時血糖の経時的変化を評価し、12週齢時にマウス上肢筋力計を用いて上肢把持筋力を測定する。また、OGTTおよびITTを行いインスリン抵抗性について改善が得られているか評価する。12週齢にヒラメ筋を摘出する。採取したヒラメ筋は重量・環状断での断面積を測定、RNA抽出用、タンパク質抽出用、病理組織用に検体を分けて保存し評価する。筋組織の糖取り込み能を評価する。
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