2022 Fiscal Year Annual Research Report
microRNA/let-7の骨格筋萎縮・糖代謝における機能解析
Project/Area Number |
19K17966
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡田 博史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30806831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / microRNA / let-7e |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では骨格筋萎縮においてmicroRNA let-7クラスターの発現が低下するという独自知見に基づき、骨格筋の萎縮とlet-7e-5pの関連性を検討した。 マウス筋芽細胞C2C12にlet-7eの遺伝子導入を行い、細胞実験を施行した。micro RNAであるlet-7e-5pはIgf2bp2をtarget geneとし,その発現を抑制していることが示唆された。また、let-7e-5pを抑制すると,ミオシン重鎖の発現,グルコースの取り込み,ミトコンドリア機能、ATP活性が有意に上昇した。さらに、let-7e-5p mimicは筋萎縮に関連する遺伝子であるTrim63、Fbxo32、Hdac4の発現を増加させた。人における検討ではサルコペニアにおいて代償的にlet-7e-5pの発現が低下していることも見出した。男性患者計32名を選択し,年齢を一致させた筋肉量減少のある患者16名とない患者16名の2群で血清中のlet-7e-5pの発現を調べた。両群間の血清中のlet-7e-5pの発現量の違いを調べたところ、筋萎縮のある患者の血清中のlet-7e-5pの発現量は、筋萎縮のない患者よりも有意に低いことが判明した。ROC解析により筋萎縮の有無に対する血清let7e5pのカットオフ値を算出したところ、血清中のlet-7e-5pレベルのカットオフ値は1.302であることが判明した。また、血清中のlet-7e-5p濃度は、多変量ロジスティック回帰分析においても、筋萎縮の有無と負の相関が認められた。 今後はmiRNA Let-7の抑制により骨格筋萎縮が抑制されフレイルが予防されることを個体レベルで確認し、その抗フレイル効果がRNA干渉による骨格筋での糖取り込み能の向上であることを確認する。
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