2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS由来膵β細胞シートを用いた1型糖尿病治療法の開発
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19K17968
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
望月 翔太 東京女子医科大学, 医学部, 医療練士研修生 (90814799)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 膵前駆細胞 / 細胞シート / p53 / 脂肪由来幹細胞 / 増殖能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は①膵前駆細胞と脂肪由来間質細胞との遠心シート作製と移植、②膵β細胞成熟におけるp53のシグナルの研究に加え、③脂肪由来幹細胞がβ細胞に与える影響に関しても検証を行なった。研究費は主に上記の研究を遂行するための培地や転写因子、阻害薬、抗体などの購入費に当てた。① 膵前駆細胞と脂肪由来間質細胞のシート移植に関しては、移植後の成熟において十分なインスリン分泌が認められていない。膵前駆細胞までの分化誘導および脂肪由来幹細胞とのシートまでは作製できているため、成熟する過程における脂肪由来幹細胞がβ細胞に与える作用には不明な点があり、検証を行なった(③)。 ② 膵β細胞の成熟機構の解明に関しては、先行研究や他臓器の成熟に関しての論文を元に、研究を行っている。p53シグナルに着目しており、幾つかの仮説を証明している。②のみで論文を作製し、現在投稿中である。①における研究は、現在留まっており、③の研究に時間を費やしている。②の研究に関しては、第65回日本糖尿病学会年次学術集会で発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
iPS細胞由来膵前駆細胞と脂肪由来幹細胞のシート移植においては、移植後の成熟や血糖低下効果が認められず研究が滞ってしまった。移植方法を検証していたが、成熟においては結果が認められなかった。 そのため、現在は脂肪由来幹細胞がβ細胞に与える影響について2021年10月から研究を新たに開始した。現在、SDラットと2型モデルラットより脂肪由来幹細胞を採取し、サイトカインや共培養によるインスリン分泌能への影響を検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪由来幹細胞がβ細胞に与える影響としては、サイトカイン分泌などいくつか報告されているが、正常ラットと2型モデルラット、1型モデルラットでの相違に関しては報告されておらず今後検証を行なっていく。 ラットから膵島を摘出し脂肪由来幹細胞との共培養を通してまずはin vitroでインスリン分泌能、増殖能マーカー、サイトカインなどを検証する。その後、iPS細胞由来膵前駆細胞と各モデル脂肪由来幹細胞との共培養での検証も行う。 脂肪由来幹細胞との共培養によりより少ない細胞数での、血糖改善効果に期待している。
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Causes of Carryover |
前年度から引き続きiPS細胞分化に必要な培地や転写因子の購入が必要である。さらに脂肪由来幹細胞の研究における培地やサイトカイン測定キットなどに費用を要する。また、論文作成における英文校正費も必要となる。
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