2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K17971
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小塚 智沙代 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (70722370)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肥満 / 糖尿病 / 胎盤 / 次世代 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満や二型糖尿病に罹患した母親から生まれた子供において生活習慣病の発症率が高いことが明らかになっており、本研究ではその遺伝機序として胎盤機能に着目している。マウスに高脂肪食を与えて肥満と糖尿病を誘発することで次世代において代謝疾患発症リスクが上昇することが知られていることから、本年度は肥満・糖尿病を発症した雌マウスから卵子を採取し、体外受精することで得られる次世代が安定的に代謝疾患を発症するマウスモデルの作製に取り組んだ。雌性C57BL/6マウスに高脂肪食を給餌し、肥満、糖尿病を発症させた。通常食群、高脂肪食群のそれぞれから卵子を採取し、体外受精により子世代を得て、既報条件に従い、子世代の表現型を解析した。子世代への高脂肪食の給餌により、通常食を摂取していた母体由来の卵子から生まれた子どもに比べ、高脂肪食を摂取していた母体由来の卵子から生まれた子どもではより大きな体重の増加を認めたが、既報に比べてその差は軽微であり、今後、詳細解析を行っていくには十分でないと考えられた。そのため、現在、マウス系統、餌の組成や給餌時期、評価時期、評価方法、遺伝性の肥満・糖尿病発症モデルを使用するなどの条件検討を行い、最適条件の設定を進めている。並行して、胎盤機能の解析手法についても条件検討を進めている。安定して表現型が得られるマウスモデルが確立でき次第、胎盤の機能解析を実施し、表現型との関連を評価していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既報に従い、雌マウスに高脂肪食を給餌することで二型糖尿病を発症させ、体外受精によって産仔を得て代謝疾患の発症を検討したが、今後、詳細解析をしていくには仔の表現型が軽度であったことから、より強い表現型を得るためのモデル作りと条件の最適化を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
仔の表現型をより強く、より安定的に得るため、マウス系統、餌の組成や給餌時期、遺伝性肥満・糖尿病発症モデルの使用などの条件検討を行い、最適条件の設定を行う。並行して、胎盤の機能解析方法の条件検討を行い、安定して強い表現型の仔を得られ次第、胎盤の機能解析を実施する。
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