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2020 Fiscal Year Research-status Report

甲状腺ホルモンを介した慢性腎臓病におけるオートファジー制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19K17981
Research InstitutionHamamatsu University School of Medicine

Principal Investigator

大場 健司  浜松医科大学, 医学教育推進センター, 特任講師 (70649392)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsオートファジー / 甲状腺 / 腎臓
Outline of Annual Research Achievements

甲状腺ホルモンは全身の代謝系で重要な役割を果たし、近年ではオートファジー(細胞内蛋白質を分解するメカニズムの1つ)との関わりについて精力的な解析がなされている。これまで甲状腺ホルモンは肝臓、骨格筋、褐色脂肪、肺においてオードファジーの惹起を介して臓器にとって有益な作用を発揮することが報告されており、本研究では腎臓における類似の作用の証明を目的とする。
令和元年度は、主にマウスを用いて実験をすすめたが、予想された実験結果を得ることができなかった。マウスの実験では腎臓を回収して検討したが、腎臓全体での評価では有意差を検出できない可能性を考えて、令和2年度は、ヒト腎近位尿細管由来培養細胞HK-2を用いた解析を開始した。
種々の培養条件、あるいは、T3投与時間を含めた実験条件を試みたが、オートファジーの評価に用いられるLC3およびp62のウエスタンブロッティングにて有意な変化を観察しえなかった。HK-2細胞は既報にて甲状腺ホルモン受容体の発現が報告されている。ウエスタンブロットを用いて確認実験を行ったところ、甲状腺ホルモン受容体のβアイソフォームは発現していなかったが、αアイソフォームは確認できた。次に、腎臓における甲状腺ホルモン応答遺伝子として知られている、SGK1、THRSP、THRA1などの遺伝子をT3存在/非存在下にてRT-qPCRを用いて評価した。しかしいずれの遺伝子もT3によりmRNAの上昇が認められず、ウエスタンブロットで確認された甲状腺ホルモン受容体αアイソフォームは、機能していない可能性が示唆された。文献検索を行ったところ、腎細胞がんなどで甲状腺ホルモン受容体の蛋白発現を確認できても、機能解析ではnon-functioningであることも報告されており、HK-2細胞へ甲状腺ホルモン受容体をトランスフェクションさせる必要があることが推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

腎臓のオートファジー研究に関する既報をもとに、in vitroの実験用にHK-2細胞を使用してきたが、この細胞株では甲状腺ホルモンの評価が難しいことが判明し、予想した研究結果が得られなかったため。

Strategy for Future Research Activity

HK-2細胞以外の細胞株として、HEK293、COS7、RC124などが知られているため、これらの細胞株を用いた実験を予定する。腎由来細胞株への甲状腺ホルモン受容体の遺伝子導入を行ったうえでの実験も検討する。

Causes of Carryover

予想していた実験結果が得られなかったことにより、実験の遅れが生じたため次年度使用額が発生した。当初の予定よりも次年度に行うべき実験が多くなったため、次年度中の使用を予定する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Role of thyroid hormone in transcriptional regulation and autophagic signaling2020

    • Author(s)
      Kenji Ohba, Brijesh Singh, Rohit Sinha, Paul Yen
    • Organizer
      第63回日本甲状腺学会学術集会
    • Invited

URL: 

Published: 2021-12-27  

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