2020 Fiscal Year Research-status Report
ランレオチド治療効果予測による先端巨大症の個別化医療の確立
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19K17983
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
向井 康祐 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20815352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 先端巨大症 |
Outline of Annual Research Achievements |
先端巨大症において、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)及び甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)負荷試験による成長ホルモン(GH)の奇異反応を認める患者と認めない患者において、ソマトスタチンリガンド(SRL)、ドパミンアゴニストの有効性に違いがあるかどうかを検討するために後ろ向きに臨床データを収集中である。Somatotropinomaのサイトケラチン、プロラクチン、ソマトスタチン受容体、ドパミン受容体、GIP受容体の発現により、GH奇異反応と薬物反応性との関係を精査している。 GHの日内変動を観察することでSRLの有効性を正確に評価することも行っており、OGTTにおいてGHの奇異反応を認める患者では食事によるGHの日内変動が大きく、SRL投与によりGHが長時間にわたって抑制されることを確認した。GHの奇異反応を認める患者におけるSRL有効性と関係している可能性がある。また、ドパミンアゴニストの有効性についても同様に日内変動とブロモクリプチン負荷試験の反応性を比較することで正確に有効性を評価しており、TRH負荷試験で奇異反応を認めない患者のブロモクリプチン負荷試験において、GHは抑制を認めず、むしろGHの増加を認めることを確認した。この現象はTRH負荷によるGH奇異反応とドパミンアゴニスト反応性との関係を示唆している。また、本症例ではOGTTで著明なGH奇異反応を認めたことから、ブロモクリプチン負荷におけるGHの増加は負荷試験中の食事摂取によるGIP増加による可能性が考えられる。GIP受容体、ドパミン受容体を評価し、この現象を解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例データの収集は順調に進んでいるものの、Somatotropinomaの遺伝子発現解析は現在、施行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はSomatotropinomaの遺伝子発現を調べ、負荷試験の反応性と一致しているかを確認し、個別化医療の確立を目指す。
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