2021 Fiscal Year Research-status Report
Evaluations of growth hormone replacement therapy based on higher brain functions
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19K17987
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 康之 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (90750993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 成長ホルモン補充療法 / 成長ホルモン分泌不全症 / 高次脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年1月から2022年3月の期間に、合計30患者・43回計測分のデータを収集した。成長ホルモン(GH)補充の前後では5例でデータを採取し、注意力の改善が認められている。しかしまだ経過観察を終了した患者が少なく、引き続き症例を蓄積している。 「Joust Tap」は被験者の微細な指の動きのデータも収集可能であり、中間解析において指先の微細な動きの指標であるtap intervalとIGF-1 (SD score)において相関性があることが示された。加えて、他の下垂体ホルモン値も併せて解析を行っており、ACTHやTSHにも指の加速度における関連性が確認できた。従って、sGHDを有する患者だけではなく、他のPit-NETの症例においても同意を得ることが出来た患者から順次測定を行いデータを蓄積している。 「Just Touch」や「Just Tap」のデータは集中力や注意力とも相関することが広島大学工学研究科の研究で報告されているため、工学研究科と連携を取りながら解析をすすめている。現在広島大学工学研究科とのカンファレンスはCOVID-19の影響でZoomを利用したリモートカンファレンス形式で開催し、随時方法の確認とデータ報告を行っている。 本研究に関連し、Pit-NETに対する腫瘍摘出とsGHDやホルモン分泌障害との関連性(Clin Neurol Neurosurg (2021) 210:106997, Pituitary (2022) 25:100-107)、TSH産生Pit-NETの周術期症状について(Endocrine (2021)73:151-159)、germinomaによるsGHDに対するGH補充療法について(投稿中)、視索から視床下部浮腫を有するBRAF遺伝子変異陽性頭蓋咽頭腫の下垂体ホルモンについて(投稿中)の論文を作成あるいは作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19蔓延の影響による経鼻手術が減少したが、現在は回復している。一方で、補充対象であったsGHD患者がTSS術後に改善した症例も複数例認めている(後述)。また同様にgerminoma加療後の患者において、補充対象予定としていたが、2年後のホルモン負荷試験で改善しており、研究対象から除外された。 一方で頭蓋咽頭腫の患者や下垂体germinomaについて、引き続き多数の施設からご紹介頂き、患者の治療を行った。Pit-NETも含め下垂体ホルモン値とウェアラブルデバイスによる計測データは少しずつではあるが、確実にデータを蓄積している。 本研究の内、補充対象患者は補充療法開始から1年にわたるデータ収集という時間を必要とする研究である。また成長ホルモン補充療法は腫瘍再発のリスクを上昇させるというデメリットを要するため、悪性腫瘍の場合は治療後2年の経過観察期間の後に成長ホルモン補充療法を行うため、長期的に継続したデータ収集が必要となる。当初の計画から症例の蓄積が遅れているが、症例数は着実に増えており、いずれ解析に耐えうる数になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに補充療法に加わった頭蓋咽頭腫患者1名とPit-NETの患者1名を現在フォロー中である。更にこの5月に新たに1人補充療法研究に加わる。加えて前述の様に、術前sGHDを有するも術3ヶ月後にホルモン負荷試験で改善を示した患者がいる。彼らについて順次、データ計測を行い、その変化値を収集する予定である。収集したデータについて前述の通り広島大学工学研究科と連携し、順次データの解析をすすめていく。データの収集には当初の計画より時間を要しているが、研究は計画通りに進んでいる。 更に、WHO分類2022においてPit-NETのcriteriaが変わる見込みであるが、それによるとinvasiveな側面を持つ腫瘍とそうではない腫瘍に大別される。術前にそれら二つを鑑別することは未だ困難であるが、invasiveな側面をもつ腫瘍の場合、ホルモン分泌機能にも術前から障害を来す可能性がある。従って、本研究では術前ホルモン分泌機能とウェアラブルデバイスの測定データに加え、新たに病理学による免疫組織診断をデータに追加する。それに伴い、過去収集した5年分のデータについて、保存していたFFPEから後方視的にPIT-1染色とGATA3染色を追加する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じている主な原因は、COVID-19蔓延の影響により学会参加の旅費を計上していないためである。学会発表の旅費、論文作成の費用に加え、Pit-NET細胞培養関連、免疫染色のための抗体、DNA解析のための試薬などの消耗品にも使用する予定である。
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Research Products
(7 results)