2020 Fiscal Year Research-status Report
肥満・糖尿病におけるmicroRNAによるインスリンシグナル制御とその意義
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19K17989
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小野 薫 熊本大学, 病院, 特任助教 (80836403)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | microRNA / インスリンシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
「脂肪組織における miR-222 の増加が、インスリン作用伝達を負に制御しインスリン抵抗性を増大する」という仮説を証明すべく実験を進めている。 マウス由来前駆脂肪細胞である 3T3-L1 細胞に人工的な miRNA 分子(miRNA mimics / inhibitor)導入による機能解析実験を行った。3T3-L1 細胞の分化誘導刺激後にリポフェクタミンを使用してmimicとinhibitorをそれぞれトランスフェクションした。totalRNAを回収し、q-PCRで確認しそれぞれ、150倍のmiR-222過剰発現、約3分の1のmiR-222発現抑制を認めた。現在、miR-222過剰発現/抑制状態でインスリンシグナル経路の重要分子を評価しているところである。 その後、miR-222 を過剰発現した 3T3-L1 細胞の培養液を初代培養肝細胞、初代培養骨格筋細胞に加え、エクソソーム由来 miRNA による標的細胞に対する遺伝子発現制御をウエスタンブロット法、q-PCR 法にて評価する予定である。初代培養肝細胞に関しては手技を習得し十分な細胞を獲得できる。初代培養骨格筋細胞に関しては十分な培養には至っておらず、条件等について更なる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
microRNAの機能解析実験において、予備実験ともいえる「脂肪細胞におけるmicroRNAの過剰/抑制」が進まなかったことが、全体的な遅れにつながっていた。しかし昨年度、microRNAのmimic、inhibitorを使用することで過剰発現/抑制を確認できたことから、今後のインスリンシグナルへの影響などは速やかに評価できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
microRNAの機能解析結果をもとに、① miR-222 を過剰発現した 3T3-L1 細胞の培養液を初代培養肝細胞、初代培養骨格筋細胞に加え、エクソソーム由来 miRNAによる標的細胞に対する遺伝子発現制御をウエスタンブロット法、q-PCR 法にて評価する。② 脂肪特異的 miR-222 ノックアウトマウスを用い、インスリン抵抗性に miR-222 がどの程度関与しているのかを評価する。③ 肥満、糖尿病患者における miR-222 の役割を検討、バイオマーカーとしての有用性を確認する。
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Causes of Carryover |
適宜必要な物品を購入しており、今回の次年度使用分は少額である。使用計画に変更はない。
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