2019 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー不全と膵β細胞機能不全を繋ぐ新規遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
19K18014
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 路可 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70833789)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オートファジー / β細胞 / 糖尿病 / Sprr1a |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーは蛋白分解機構の一つであり、生体の恒常性維持に重要な役割を担っている。以前我々は胎生期から膵β細胞でオートファジーを欠失させたマウスでは、耐糖能異常が誘導されることを報告したが、その背景にある分子機構は不明であった。 そこで、本研究ではβ細胞特異的かつ時期特異的にオートファジー不全を誘導するための新規遺伝子改変マウス(iβAtg7KO)を作製した。2週間オートファジー 不全を誘導したマウス(iβAtg7KO-2W)では、耐糖能は対照同胞マウスと同等であったが、6週間オートファジー不全を誘導したマウス(iβAtg7KO-6W)ではインス リン分泌不全を伴う高血糖を認めた。これらの知見はオートファジー不全の蓄積がβ細胞不全を引き起こすことを示している。 次に、iβAtg7KO-2W, iβAtg7KO-6W、および対照マウスの膵島を単離し、RNA sequencingを行なった。オートファジー不全は誘導されているが、耐糖能は正常であるiβAtg7KO-2Wにおける遺伝子発現プロファイルを解析し、最も発現変化の大きいSprr1aに注目し解析を行なった。βTC3、INS-1といったβ細胞株においてAtg7の発現をknockdownすると、いずれの細胞株でもSprr1aの発現が亢進していた。またINS-1細胞において、Atg7 のknockdownと同時にSprr1aをknockdownすると、対照群 (Atg7単独をknockdown)に比較してAtg7, Sprr1aの両方をknockdownした細胞では、細胞数が有意に減少することが確認された。以上の結果を踏まえ、Sprr1aがin vivoにおいてもオートファジー不全下のβ細胞で細胞保護的な役割を果たしている可能性を考えfloxed Sprr1aマウスを作出し、現在iβAtg7KOマウスとの交配を進めている。
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[Presentation] Autophagy Deficiency Cumulatively Causes β-Cell Failure in Mice2019
Author(s)
Suzuki, L., Miyatsuka, T., Himuro, M., Miura, M., Katahira, T., Komiya, K., Fujitani, Y., Nishida, Y.,Watada, H
Organizer
79th American Diabetes Association Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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