2023 Fiscal Year Annual Research Report
新たな2型糖尿病腎線維化モデルの開発および解析から迫る糖尿病腎症病態
Project/Area Number |
19K18015
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 有威子 (水沼有威子) 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80784008)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 2型糖尿病 / 線維化 / CD-1db/dbマウス / AcSDKP / 糖尿病腎症 / 戻し交配 |
Outline of Annual Research Achievements |
新たな2型糖尿病腎線維化モデル動物となり得るCD-1db/dbマウスを前任の金沢医科大学にて作製した(戻し交配により12世代目まで作製)。CD-1db/dbマウスは、腎臓以外に心臓や肝臓においても高度な線維化を呈すること、さらに膵島の委縮や膵β細胞量の低下を示すことも明らかとなった。本研究では、CD-1db/dbマウスを2型糖尿病研究に汎用されているBKSdb/dbマウスと比較し解析すること、およびCD-1db/dbマウスを用いた実験治療を実施し責任分子機構の解析を行うことで、2型糖尿病による腎症に対する治療標的の創出を目的としていた。 前年度報告以降、14世代目CD-1db/mマウス同士での交配継続により、14世代目CD-1db/dbマウスの十分な個体数が得られ、本学においてもCD-1db/dbマウスが確立できたことを報告する。当初計画していた、CD-1db/dbマウスの表現型のより詳細な解析や、運動療法介入後の治療評価ならびにAcSDKPが誘導する内因性抗線維化機構との相関の解析は期間中に着手できなかったが、本学でのCD-1db/dbマウスの確立に多大な費用と時間を要し、支援いただけたことに心から感謝の意を表する。 本学では本研究以外にもCD-1db/dbマウスを用いた研究を計画している。糖尿病性心筋障害に対する糖尿病治療薬の影響に関する研究(研究課題/領域番号20K07809)も進行中である。引き続き、腎症を初めとする糖尿病合併症に対する新たな治療戦略の創出に貢献していきたい。
|