2020 Fiscal Year Research-status Report
心停止肝細胞移植におけるviability上昇のための新しい機械灌流法の開発
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19K18019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤尾 淳 東北大学, 大学病院, 助教 (50723954)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝細胞移植 / モデル作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
心停止肝臓に対して灌流装置を用いて肝臓のviabilityを落とさないようにして、それに対して肝細胞分離を行い、収量とviabilityを維持するという研究であるが、本年度は心停止時間を5分、10分、15分、20分とふってそれぞれの肝細胞分離の収量を確認した。またその収量を心停止時間0分(Heart beating群:HB群)と比較した。5分ではHB群と変わらなかったが、10分で明らかに収量が減少した。またその際に門脈血栓が多く認められ、灌流域が少なくなったことが考えられたので、実際の臨床の場でも使われ、先行研究でも使用されたことがあるヘパリンを投与して行うこととした。ヘパリン投与で10分の心停止では収量はやや減少するが、20分の心停止だと収量が著しく減少し、無アルブミンラットへの移植が難しいと判断し、心停止10分をモデルとした。10分の心停止にて得られた肝細胞を無アルブミンラットに移植して、HB群と比較した。昨年のHB群の収量と比較した場合は、10分の心停止群と明らかな差がでたが、ことしのHB群と比較した場合は有意な差が認められず、手技がまだ安定していない可能性があった。 今後は実際10分で心停止時間がいいのか、もう少し確認したのちに灌流装置を利用して心停止をおいたラットでの肝細胞の収量のアップと、実際の無アルブミンラットへの肝細胞の移植を確認したいと考えている。また無アルブミンラットへの移植以外に、肝細胞のviabilityの確認のための検査として、in vitroでのアルブミン再生量の確認なども考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル作成はある程度完成されてきたと思われるが、まだコントロールの収量にばらつきが出る場合がある。また心停止モデルに対してヘパリンを投与しているが、ヘパリン投与しても門脈血栓がある程度時間がたつと生じてしまい、そのばらつきによってコラゲナーゼが肝臓全体に分布しないことがあり、終了にもばらつきが生じてしまう。 もともと研究室にあったラットの灌流装置が破損してしまい、灌流モデルの再考という状態が生じているが、ブタ用の灌流装置を使用できる可能性が高く、現在はそのモデルを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
至適心停止モデルの時間を明らかにして、無アルブミンラットへの移植を第一に考えている。またviabilityの評価を迎える移植以外にも考える。 ラットの灌流装置の修理は難しそうであり、現在当科で使用可能な豚の灌流装置をラット用に修正するように調整している。ラット用へ修正可能であれば、一気に研究が進むと考えている。
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Causes of Carryover |
前年度は灌流装置が故障して使用ができない状況なので、なかなか研究が進まない状態であった。またCOVID19の世界的な蔓延によって国際学会をはじめ、おもな学会が現地で行われないこともあって、学術活動も想定したよりかなり少なかった。 灌流装置がブタ用のものを使用することが可能になれば、一気に研究が進むと考えている。
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